エンドロールで泣いた
「エゴイスト」を観た。
なんとも言葉にならない映画を観たのは初めてだなぁなどと
エンドロールを観ながら考えていたら
急に風で心を撫でられたように
ほんのちょっとの涙が出た。
普通はここで
ぶわっと涙が
とか言ったほうが良いんだろうけど、そこは盛らずにそのままが良いかなと思う
そんな映画だった。
(信じられないくらい良さが伝わらない)
始まりに、
無音になるところがある。
映画が始まるよって感じもしたし
素っ裸で置かれた他人の人生を、四畳半の団地に訪問する感じもして好きだ。
少しの居心地の悪さと
初めて行った他人の家の匂いを
肺いっぱいに吸い込む気持ち良さがある。
高価な服に身を包む浩輔が
坂道を下っている背中を見て
ものすごく泣きたくなってしまった。
わたしが彼らのことを抱きしめられたら良いのに。
なんの解決にもならないだろうし
少しの慰めにもならないかも知れないけど
それでも
それでも、
抱きしめられたら良いのに。
お土産を渡す浩輔も
たくさん働く龍太も
大きな二人に挟まれて、その小さい身体にたくさんの時間が流れている妙子さんも。
どうしてあんなに愛おしくて
どうしてあんなに弱いのか。
どうしてあんなに、強くいようとできるのか。
エゴイストって
そうか、そういうことかと
映画を観て解決した感じがとても心地よい。
予告編だけじゃなくて
観ないと分からないことを
本編を観ることで回収できる感じが好きで、
映画を観ている節があるように思うけど
例に及ばず回収していただいて、
あぁ、そうか、そうだったなと
わたしたちはみんな
そうだったなと。
いつもは付けない#を付けて
この映画に携わる全ての人を抱きしめるために。
どこかにいる浩輔や龍太や、
わたしを抱きしめるために。
たとえ、それが
私のエゴでも
それでも私はそうしたい。
公開中に観たのに、中々文章にできず。恐縮。
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