![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/42330478/rectangle_large_type_2_f35c8a37ab81f9bed364537260b00019.png?width=1200)
2020年読んで面白かった本19冊
2020年に読んだ本は概算で220冊でした。
ジャンル別に印象に残った本を紹介します。
いっぱい紹介したけど、2020年ぼくのイチオシ本は『あいたくてききたくて旅にでる』です。
■小説
・ニキ
空気読めない生徒 VS ペドフィリアの先生……という展開がなぜか後半小説教室に!なんなんこれ……すげえ。
これはものすごい売りづらい……売りづらいと思うけどもっと読まれてほしい作品。
知る人ぞ知る名作「慎治」を彷彿とさせる怪作。
・自転しながら公転する
ぼくが20代の頃から愛読する山本文緒の最新作。下妻物語と金色夜叉を合体させて現代とアラフォーと格差問題をミックスしたすんげえ作品。さすがだぜ……。
全員の正しさが相対化されてなにが正しいのかわからなくなってくるところなども山本文緒的!
・きのうの春で、君を待つ
2020年いちばんワクワクしながら読んだ。好きすぎる……。タイムリープものなんだけど、この形式はなかなか珍しいのでは。前作もめちゃ好きなので次回作にもむちゃくちゃ期待。
・ここは夜の水のほとり
暗くてきれいな純文学、最近の新人こういうのあんまり書かないなーと思ってる人。これぜひ。
・ピカソになれない私たち
美大版の「セッション」。パワハラの「ブルーピリオド」……めっちゃおもしれえ。
・夜鳥
紀伊國屋書店でおすすめされて買った。ポーとか好きな人ならぜひ。短編集。
・どうぞ愛をお叫びください
今のティーンはきっとバンドじゃなくてYou Tubeなんだろうな……というぼんやりしたイメージを体現してくれたっ!
・季節を告げる毳毳は夜が知った毛毛毛毛
マームとジプシーの主催、藤田貴大の小説。イメージの連なりと不思議な質感。唯一無二……才能ってこういうことだぞ。
■人文・ノンフィクション
・あいたくてききたくて旅にでる
現代の民話。を集める女性に惚れ込んで出版社まで作って本を出してしまった!しかも本がすごい。話者にあわせて文字を手詰め……暗さとかも全部調整。物語分析や民話のバージョンの話なんかもすべてがオーセンティックかつ新しい。必ず購入すべき本です。
・幻覚剤は役に立つのか
幻覚剤の最新研究報告。
臨床試験がイギリスで始まるまでの経緯がドラマチックすぎてやばい。ネットフリックスでこの本を原作にしたドキュメントやるらしいんでチェック!
デフォルト・モード・ネットワークの話と脳の活動の写真がめっちゃ面白かった。
・新写真論
ふだん何気なく使ってるスマホのカメラについて考えるとこんなに深くなるなんて……めちゃめちゃ学びがある……。
・13からのアートの授業
アートについてもそうなんだけど、ワークショップ形式なのもいい。
・遅いインターネット
吉本隆明の思想を現代風に読み解くところがめちゃめちゃスリリング。この見立てはおもしろい。
・世界は贈与でできている
資本主義だからこそ、贈与の話ってめちゃめちゃ大切なんだけどそのへんが過不足なく書かれていてとても勉強になる本!ニュースピックスの哲学ぽいやつはけっこうアタリが多い。
・ちいさい言語学者の冒険
これは今年発売の本じゃないんだけど、印象に残ってる。
子供の言葉遣いを言語学方向から読み解く……のだけどこれ偶然ながらチャンギージー「脳と文明の暗号」なんかとすげえ近くてびっくりした。以前から、子供=原始的な人間を研究することで人間の基礎OSみたいなものの成り立ちがわかるのでは? という発想でいろいろ読んでいるのだけど、その方向で解明されることも多い。
・夢幻の街
歌舞伎町「クラブ愛」それがそのままホストクラブの歴史である。愛の歴史を紐解くと完全に日本のホストクラブと経済動向が見えてくる。貴重な資料としても。
新聞書評も書きました。
・パリの砂漠、東京の蜃気楼
ずっとダウナーなドラッグが効いてるみたいなエッセイ。そこがいい。
・一門
冴えない師匠なのになぜ弟子は一流なのか? その秘密に迫るルポ。やはり人間は心なのか……とありきたりだけど本質的なことを思い知らされる。
・農のひと
縛るだけで植物がめちゃめちゃ育つ!まじか!やりたい!不思議な農業本!
ここから先は
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/158656528/profile_c15ddeb825f819ab68887c662d1111e3.jpg?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
書評(おすすめ本とか)
書評がはいっている。マガジン買うとあとで増えたのも読める。
御芳志は新たなる書籍購入の糧となり申し候。文學の道を往かんとする糧となります。