見出し画像

『ハイジ』が面白かった話

『ハイジ』上下(ヨハンナ・シュピリ作 マルタ・プファネンシュミート絵 上田真而子訳 岩波少年文庫)

が最高に面白くて、読み始めてすぐやめられない止まらないで一気に読んでしまった。読むだけに飽き足らず何か書き留めたくなった。

黄金色に焼いたチーズとか食べ物の描写、山小屋の風景、夕暮れの様子…ハイジのぴちぴちした様子、おじいさんの寡黙で温かな様子…。

街に出てから自然の景色は無くなった。でも温かい人たちもいる。

そして信仰心。というか「知っていること」。

キリスト教の描写が出てくるといつも一つの神様を信仰するとはどういうことか全く理解できないのだけれど、この中に書かれている信仰は引き寄せの法則、波動の法則と呼ばれるものに近いように思った。
そう信じている(知っている)からそうなる、とか。圧倒的真実であると降参してしまうとうまくいくとか。
辛いことがあってどんなに祈っても良くならないから神様は見てない、のではなくて、そこを凌げばもっと良い状態になるからあえてそうなってると神様(というか、もっと大きな流れ)を信じる(知っている)とか。

作者本人も信仰心の深い方だったと思われる(解説に、作者のお母さんが信仰深かったと書かれていた)。

圧倒的な自然と神(大いなるもの)ー自分達人間が介入することのできないーに包まれて、そこに委ねることができると流れに乗る、奇跡が起きる、という話のようにも思えた…。

でも、その大いなる自然やなんかに包まれた人の営み部分がとてもリアルで豊かで(今の日本であの暮らしだと貧乏〜にしか見えないと思うが…でもあのお手製の木の椅子!薄く切ったバラ色の干し肉!)、今の暮らしもそう見えてないけど豊かなのは間違いなく、そういうふうに今自分が住んでる場所も見たい。

ハイジ、黒髪のまき毛だったんだ…というのが意外だった。

あと、クララは山に来てからやたら乳製品を食べているがーそして確かヨーロッパでは乳製品をひたすら食べる療法があったと記憶するがーそしてそれで元気になっているが、描写がリアルなだけに「消化できない…もう乳製品、いいです…」という気分になった。おいらは日本人の腸なのだわ。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?