これからわたしはどう生きるか
3ヶ月ほど前、私は就労移行支援事業所に通い始めた。
性懲りもなくもう何度目か数えるのも億劫になった退職をし、晴れて無職になったからだ。
しかし、今回は少々スペシャルだった。
流れは今までとあまり変わらない。だが今までと違ったのは、私がメンタルクリニックに通っていて、精神障害者としての診断を受けていて、自立支援医療を受けており、障害者雇用を目指して手帳を取得予定だった事だ。
これらは思っている以上に大きな違いだ。私はそう思い込んでいた。
何せ障害者雇用という新しい選択肢を手に入れたのだ。きっと今までよりも良い条件で働けるはず。
障害者雇用と言えば一般雇用に比べて給料が安い事で有名だが、それでも近年の収入が生活保護といい勝負だった私にとって、些細な事だ。最低賃金でスーパーマンのパフォーマンスを求められる地獄の生活が終わる。それだけでも薔薇色だった。
障害者雇用を狙うには、まず就労移行支援事業所とやらに通った方がいいらしい。私は無駄に行動力と決断力に長けているので、ここまでは驚くほどスムーズだった。
やりたい事が決まっていたのも大きな要因だ。紆余曲折あって、直近の仕事がWebデザイナーだった為、引き続きやりたいと思っていたので、デザイン特化の事業所を選んだ。
求人があるかどうかも事前にリサーチしていた。少なくともハローワークでは沢山の求人があった。これならいけると思っていたのだ。
しかし、何から何まで上手くはいかないのが私の人生である。まず就労移行に入所して、最初の面談で出鼻を挫かれた。
「デザインで不安定な非正規雇用を選ぶか、安定した事務職を選ぶか、まず方向性を定めて下さい」
なん…だと…?!!
何を言われているのかわからなかった。いや、わかるけど脳が受け付けなかった。そんな馬鹿な話があるのか?就労移行支援事業所でWebデザインを取り扱っているところは沢山ある。需要があるからではないのか?
まあ、非正規でいいか。私はそう結論付けた。長年事務をやり続け、何も残らなかったトラウマもある。そもそも安定などこの世にない。そう信じてやまなかったからだ。
就労移行は最大2年。しかし、訳あって私のリミットは1年。
通常、誰もそんなことは滅多にやらないが、私は通所とほぼ同時に就活もスタートさせた。調べたらやはり求人はあった。非正規だがそれはかまわない。ただ、数が少ない。選ぶ余裕はない。
そして、3ヶ月。落ちる、落ちる、落ちまくる。結果、0勝4敗。
理由はわかっている。私が産業廃棄物だからだ。書類の書き方とか、面接の受け応えとか、そんな可愛い理由ではない。そもそも、一般雇用で産業廃棄物だったからこそ、地べたを這いつくばっていたのだ。それが障害者雇用になったところで、ゴミはゴミだった。
しかも、一般雇用の時とかなり勝手が違う。こんなことやあんなことやこれこれこういうスキルがあって、こう貢献出来て、その理由は…実績は…なんて、どうでもいいらしい。逆にそのアピールが「めんどくさい奴」認定されるようだ。
まずは安定して会社に来られるのか、自分の特性を理解しているのか、という部分が最重要視されるらしい。
仕事なら出来るんだ!!プライベートが終わってるだけなんだ!!と叫んだところで、誰も信用してくれない。
詰んだ…。そう感じずにはいられない。
そんな私に、派遣会社から怒涛のラブコール。しかし、「デザイン」とか書いてあっても、詳細を良く読んだらそれ微妙に違うだろって案件ばかり。 しかも、就労移行支援事業所に通所している以上、勝手に応募出来ない。全部報告する義務がある。
ハローワークに求人あるだろ…と、思いきや、実はそれにも罠があった。
心機一転事務職に挑むのか?抵抗のある分野で落ち続ける屈辱に耐えつつ、数打って当たるのを待つのか?それとももう就労移行自体辞めて短期派遣に行くのかー?
嗚呼、誰か異世界から迎えに来てくれないだろうか。