正社員にこだわる必要はあるのか
私が1度目の転職をした頃ぐらいまでは、正社員一択だった。ハローワークでも良さそうな求人票だと思ったら「それは契約社員ですよ。やめたほうがいいです」と、言われた。
だが、決して今はそうではない。そうではないのだが、古いままの常識で語る方も未だに多く見受けられるので、注意して頂きたい。
それと言うのも、2回目の転職以降、私は今のところ非正規でしか働いていない。それがどうしてなのかも併せて話して行く。
まず、正社員のメリットは何なのか。
・世間体がいい
・クビになりにくく安定雇用が見込めて退職金がある
・比較的給料が高く昇給とボーナスがある
・月給制若しくは年棒制で休日で収入が減らない
思いつくのはざっとこんなところだろうか。逆を言えば、これらのメリットがなければ正社員である意味はない。
ところが、近年特にこれらのメリットがないにも関わらず『正社員』として募集されているケースが多々ある事実をご存じだろうか。
終身雇用はほぼ絶滅したと言っていいだろう。ボーナスや退職金がない会社は非常に多い。正社員なのに日給月給だったり、時短正社員なるものも登場している。
それでなくても働き方改革などにより、同一労働同一賃金とされるようになったり、正規雇用が改悪され、非正規雇用が優遇された事により、その差はどんどんないに等しくなって来ていたりする。
それどころか、ルール無用の怪しい零細企業が乱立している分、就職先選びが難しくなっており、派遣の方がハズレを引いても短期間で辞めやすく、そのメリットの方が大きいと感じる場面が増えて来た。
派遣には紹介予定派遣というものもある。直雇用に切り替わるチャンスが設けられており、派遣で働いて双方に問題がなければ移行するというものだ。同じ職場で働き続けたい人にはそういう選択肢もある。
派遣の場合は次の仕事も比較的決まりやすい。もし決まらなかったとしても、雇用保険の自己都合退職による3ケ月の待機期間が対象外になる場合が殆どなので、収入の面での心配をする事が少ない。
契約社員も派遣ほどではないが、辞めやすい時期がある。最低1年働けば、2年目の更新は自己都合で断っても、派遣と同様に自己都合退職による3ケ月の待機期間がないのだ。
こういった制度を把握していれば、比較的上手く渡り歩ける。正規雇用ではこうはいかない。
転職は物凄くエネルギーを使い、簡単に出来るものではないが、それは職を選ぶからで、どんなに不況でも不人気な職種は未経験でも就ける場合が多い。しかしそうなると、よっぽどの当たりを引かない限り長く働くのは無理があり、必然的に派遣や契約社員で渡り歩く事になる。
つまり、そういう事だったのだ。
加えるなら、派遣の場合、職場の人間関係が希薄なのも私にはメリットだった。人間関係リセット癖がある人にも向いているかも知れない。
後、正社員でなければ厚生年金や各種保険がないと言ってしまっている人達が一定数いるが、これは間違いだ。厚生年金や各種保険が付くかどうかは雇用形態ではなく、週に何時間働くか、1ヶ月などの短期ではなくある程度の期間働く見込みがあるかどうかで決まる。
よって、例えバイトでも、条件を満たせば対象になり、短時間正社員とやらで条件を満たさなければ対象外になるのだ。
この特性を利用し、保険料などを負担したくない企業がバイトやパートではなく短時間正社員と謳って人集めをしている場合もある。
言葉のイメージと固定観念に囚われがちな発達障害民だからこそ、十分に気を付けて欲しいところだ。
そしてこれらの条件は、実は割と頻繁に変わる。
例えば以前、私は日雇い派遣で次の仕事まで繋いだ時期があったのだが、これは今はもう出来ない。雇用保険に関しても、週に20時間以上が対象というルールが撤廃される予定だというようなニュースが最近あった。
まず雇用形態で決めるのではなく、正しい最新の情報を知り、その時の自分に必要なものは何かを見極め、使えるものは上手く使い、良く内容を見て考えて欲しい。