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特例子会社という選択肢

日本には障害者を雇いなさいという法律があり、現在の民間企業の法定雇用率は2.3%である。つまり、従業員を43.5人以上雇用している事業主は、障害者を1人以上雇用しなければならない(厚生労働省データより)。

この法定雇用率は年々増加しており、大企業であればあるほど沢山の障害者を雇用する義務がある。これを達成させる為、厚生労働省から認可を受けて障害者を雇う為の子会社を持っている企業がある。その子会社を特例子会社という。

全国に550社超存在し、給与が安い、業務内容が限定的でキャリアパスは望めない等の有名なデメリットがあるが、一般中小企業よりも安定しているのは間違いない。

この特例子会社が狙えるのも、障害者ならではである。

ただし、職種は非常に限られている。少なくても私が狙えそうなのは、事務系だけだった。

かつて私は『安定』を求めて彷徨い、そんなものは無いと諦め、だったら少しでも好きな事をやると決めてクリエイティブ系に進んだ。それなのにまた『安定』の方向へ戻るというのか。なんという皮肉。

しかし、人生というものは、なるようにしかならないのだ。

クリエイティブ系に進むのだって簡単ではなかった。Webデザイナーも倍率の高い人気職だ。簡単に手放したくはない。しかし、自分の障害特性上、フリーランスが出来ないというのが痛かった。どうしようもない。

いわくつきの事務へ戻るなら、最大限の高みを目指したかった。それが私にとっては、特例子会社だったのだ。

本当に優秀な人は大企業の障害者雇用を目指すべきだが、私にはハードルが高すぎた。特例子会社ですらそう簡単に受かるとは思っていなかったが、奇跡は起きるから奇跡なんである。

そう、某大企業メーカーの特例子会社に内定を頂いてしまったのだ。

本当にそれでいいのか、決めてしまっていいのかと聞かれたりしたが、就職とは縁であると私は思っている。

10数年非正規でジョブホッパーをして来た。これで最後を何度も繰り返して来た。また何か裏切られるかも知れないが、でも面白いではないか。

障害者になり、障害者ならではの特例子会社に入る。また他の人達が簡単には出来ない体験をするわけだ。入社は来年1月1日付け。初出社は翌週である。楽しみだ。

そしてまた、どこかの誰かの何かの参考にでもなればと、その後の様子も書き記して行きたいと思う。





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