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困っていなければ発達障害ではない

物心ついた頃から何かしら困ってはいる。「変わってるね」と言われた回数は、累計どのぐらいだろう。ただ、その原因がわからなかった。

仕事は出来るとはいえ、ケアレスミスをしやすい自覚があるから、常人の何倍も見直しをして、それでもゼロにはならない。やらかすたびに自己嫌悪に陥る。優秀なんて嘘だ。理想の自分とは遠くかけ離れている。

忘れ物の対策で常に鞄はパンパンで、どこに行くにも荷物は多い。それでも色んなものを頻繁に忘れる。無くす。また同じものを買う。

遅刻しないためには、定刻より1時間前に着くことを目標にして動かなければならない。それでも遅れることはある。1日の使える時間が人より短い。

外では普通に喋るが、家では全く喋らない。家族に「返事ぐらいしろ」とよく怒られるが、口を開けるエネルギーが勿体ないと感じる。

ごく普通の日常を普通の人っぽく過ごすために、限りない努力や根性やありとあらゆる工夫が必要になる。

貴方には心当たりは無いだろうか。

私のようなASDとADHDの混合型の人達は、非常にややこしい。相反する2つの特性が混在しているのだから当然といえば当然だ。

たまたま環境が良く、普通の人に限りなく近く過ごせていたとしても、ひとたびそこから放り出されれば成立しなくなる。だからこそ、今は問題が許容範囲内だと思っている貴方も、未来のための対策はしておいた方がいい。

それは、精神科に行って、発達障害に関する相談をすることだ。

その際は「ネットで見て自分も発達障害ではないのかと思った。自分の特性が知りたい」と言えばいい。

出来るだけ早い方がいい。予約して半年待ちなんてところも多いが、探せば近日で受けられるところはある。精神科を受けたことが周りにバレるリスクを考えてしまう人は、病院名に『メンタル』や『こころの』などが付かない病院を選べばいい。

実際に発達障害の確定診断を受けたい、支援を受けたいと思うのであれば病院選びは慎重になる必要があるが、そうでないならどこでもいい。

何故なら、心底困った状態になってから病院に行った場合、すぐに支援は受けられない。手帳の取得や障害者雇用は半年後、障害年金に至っては1年半後になる。その基準は『初診日』だ。

簡単に予約が取れるような精神科では、もしかするとぞんざいで尊大な態度で迎えられて嫌な思いをするかもしれない。しかしそれでも未来の自分のためになる。耐え抜いて欲しい。

本人が困っていると病院に自己申告しなければ、生まれ持った特性なのに生まれながらの障害ではないとみなすというのがこの国のルールだ。

一度相談に行ったら、次は本当に困った時でいい。ただ、領収書や貰った書類などは大事に保管しておこう。

幸運を祈る。





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