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そんなこと言ったらみんな発達障害だよ

私は2022年末にASDとADHDの診断を受けてから、リアルではまだ誰にも話していない。

だから私はまだ実際に言われたことはないのだが、発達障害であることを周りの人達にカミングアウトした先人達は、高確率で言われているらしい。

私個人としては、そう言いたくなる気持ちはわからなくもない。

ASDやADHDがどういうものであるのかを知ってから改めて周囲を見渡すと、該当しそうな人達が思いの外多くいるからだ。

しかし、全員発達障害なのかといえば、そうではないだろうとも思う。

何故なら、例え同じような言動や現象でも、その原因は複数存在するからである。

生育歴や環境や、性格だったり、身体的な病気だったり、別の心の病気だったり、一時的な生活習慣の乱れですら起こり得ることもあるだろう。

しかし、発達障害と診断されるにはそれなりの基準があり、やはり専門の医師にしか判断は出来ない。

それに、発達障害は精神障害に分類されているが、身体への影響もある。

運動神経が悪く、スポーツ全般苦手。物との距離がわかりにくく、よくぶつかったり転んだりするが、感覚鈍麻で自分の怪我に気付きにくい。

そうかと思えば、感覚過敏で着る物の素材を選ばなければならなかったり、偏食だったり、遠くの音と近くの音が同じ音量で聞こえるため、騒がしい場所で目の前の人が何を言っているのか聞き取れなかったりもする。嗅覚が鋭い人もいる。

しかも、全員が全員全く同じではないのだが、歩き方や物事の捉え方、トラブルへの対処法などが同じ特性を持っていると似通っていたりするのだ。

しかしそこまで調べも考えもせず、遅刻が多い、忘れ物が多い、部屋が片付けられない、空気が読めない、仕事が出来ないというようなことだけで、カテゴライズしてしまう人も多い。

そうなるとどうなるか。確かにみんな発達障害になってしまう。

そういう人達の方が圧倒的に多い以上、精神科医がうんざりするのも無理はないし、身近な人々も俄には受け入れ難いだろう。

だからこそ、まずは自己分析し、何が出来て何が出来ないのか、どういう場面で困るのか、どれぐらい仕事や生活に支障があるのかを自分自身がよく把握する必要がある。

そして、生まれてから今までを詳細に振り返る。自分自身の思いだけではなく、当時周りの人々から言われたことをよく思い出す。

発達障害はあくまで、生まれ持った脳の機能障害と言われている。

決して今起きている事象だけではなく、生育過程で突如発生したものでもなく、場合によっては生まれる前から何かしらあるのだ。

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