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【詩】冬

もういちど
私のことを
やさしく包みこんでください

そう願っても
冷たい冬風だけが
からだを通り抜けてゆき

今でも
貴方の声やすがたを
捜してしまいます

どうか
もういちどだけでいいから
きちんと思い出させてください

そういくら願っても
曖昧な記憶は
ふたたび鮮明になることがないことも

あの日々には
戻れないことも
きちんと理解しているの

もうにどと
見ることのできない
あの愛おしい日の
冬の月も


【26歳の煌めき】

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