【詩】事実
みんな居なくなる
あなたもわたしも犬も
みんな。
いつかは
誰のきおくの中からも
思い出の中からも居なくなる
そのことが
とても哀しくなる
後先のことを考える
必要はないのに
その筈なのに
わたしもあなたも犬も
みんな居なくなるときのことを
想像してしまう
いつかは
誰のきおくの中にも
思い出の中から
あなたとわたしと犬が
この世界に居たという
事実が消え去る日がくるけれど
あなたと犬と
寄りそって生きている
いまが思いのほかすてきだから
そう悲観的になることでもないと思えたのよ
【35歳の居場所】
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