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【詩】公衆電話

深夜の公衆電話はもの淋し気で
それでも釈然と立っていた

よくここで
大好きな人と待ち合わせをしていた
彼は公衆電話の先に車を停めて。

あの頃のわたしは
彼に早く会いたくて
その場所まで走りながら向かうけれど
公衆電話から見える角を曲がると歩くんだ

―どうして走ってきたの?
そう彼に訊かれないように
その理由を、言わなくてもいいように

20歳の躓き

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