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【詩】夜明けなんていらない

あの日、あなたがどうして泣いていたのか
その理由は訊ねられなかった
訊いてはいけないことだと 察していたから

波が交差するよう、感情が錯誤する

あなたを失うことは
私とってただ、ただ恐ろしく
そのことを受け入れるくらいならば
夜明けのこない闇夜のなかに長い間 居たかった


だけど、どんな時でも夜明けは来てしまうのだ


驚くほどに年齢を重ねてしまったし
逢いたいと思う回数も減ってしまった 今を

これが夜明けだと言うのならば 夜明けなんていらない

失ったことを受け入れるくらいならば
夜明けのこない闇の夜中にもう少しだけ 居たかった

【35歳の居場所】


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