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【介護】街へ繰り出す

頭が固いな~と思うことがよくあります。

一度定着したものの見直しをしない、そんなことがあります。

母が庭先から、ベビーリーフを摘んできました。

母は上手に植物を育てます。プランターでこんなお野菜が途切れなく食卓へ運ばれます。


考えてみますと、母は今の家に引っ越して半年後に倒れて以降、ほとんど外に出ていません。もう元気ですが、移動はタクシーか車のみ。それも、仕方ないものと思い込んでいました。

とはいえ、その「仕方ない」は、介護認定前の母です。認定して頂いてからは、本当はなにもかもすっかり様子が違っているのですが、わたしの頭の中が以前のままなのです。


ところが、介護保険で車椅子をお借りすることを思いついたその日から、母の日常が変化しました。

車椅子がこれほど便利だったとは。


今日は公園ではなく、街中へ。ちょっと遠出してみました。

自分でも大丈夫かな~と少々不安でしたが、どこにもエレベーターが付いていて、少し遠回りでも、ちゃんと行きたいところへ行けました。

ただ、思いがけず外の風が冷たく、座ってばかりでは体が冷えます。膝にわたしのコートをかけて進みます。


途中、母世代と思われる女性とすれ違うと、微笑んでお辞儀されました。母も自然にお辞儀をしています。そうそう、昔の日本人はこうして互いに挨拶していましたね。

街中で、車いすの人と3人もすれ違いました。普段はあまり気にしていないのでしょうね。やけに親近感がわきました。

お茶を飲み、それから帰路につくと、母にとってはどこもかしこも始めてみる景色ばかりということがわかりました。


それから、小さな男の子が駆け寄って来て、母をじっと見て、

「………年を取っているの?」

と尋ねました。

いいですね。彼にとっては大発見です。


わざわざ公園じゃなくてもいいんだ、と頭のかたいわたしは小さな発見でした。

帰ると、そのまま一緒にお風呂へ。

すっかり体が冷えてしまったようです。風邪をひくと大変です。


こんな母との暮らしも6年目です。

「今が一番幸せよ。こんな幸せが待ってくれていたなんてね」

と、もう何度もきいたセリフがまた出ます笑。



※最後までお読みくださりありがとうございました。







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