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【介護】さりげない言葉を咀嚼して

母の介護が本格的に始まってもうどれくらい経っただろう。ちょっとしたことで腰を痛めて、それからあれよあれよと自分のことができなくなった。

こんな日が来るなんて、と思うけれど、こんな話なら掃いて捨てるほど耳にしてきた。そして、介護する側は、誰もが恐らく同じようなことを思うのだろう。そう、わたしの周りには介護している人が多い。もう何年も外に出ていない人もいるし、忘れられないほど悲惨な話も嫌というほど聞いて来た。

わたしは祖母と父の介護を経験していると思っていたけれど、やっぱり主に介護をしていたのは母で、だからわたしは何もわかっていなかった。こんなふうになってみて、何も知らない自分に参ってしまう。まあ、母本人も介護される側は初めてで、こちらもわかっていなくて失敗ばかりしているけれどね笑。

ケアマネの友達がいる。その友達に久しぶりに連絡をした。

「地域の介護の責任者さんと合わないの」といってみた。すると、「人によって全然対応が違うから相性が合わなければ変えてもらった方がいいよ。良い人に出会えると何でも相談できるからね」といわれた。

なにが合わないのかといわれても上手く言えないけれど、その方のさりげない言葉に毎度凹むのだ。

もう10日以上ヘビーな介護をしている。一日も早く誰かに手助けしたいと思っているけれど、お年寄りが多くて11月末ごろにならないと判定は出ないとおっしゃる。まだ市役所からはどなたも我が家にはこられていない。介護延長の手続きでさえも、これほど時間がかかるのだ。頼れるのは自分と家族だけ。

今日はその地域の担当の方に、「あれ?先日はこういわれてましたけどね~」といわれた。様子伺いの電話がかかってきたのだ。そうなのだ。確かに先日の母はお伝えしてあった通りそうだったのだ。けれど今日の母はもう先日の母とは違う。状況は、日替わりで変化する。その説明をしようにも、そんな言われ方をするとほんとうに嫌になる。

ほんの1時間程家を空けた時、母は一人でトイレに向かい出られなくなった。トイレで体を痛めて症状が悪化したのだ。まさかの自体だ。

トイレに行かないよう準備して出たというのに、ちゃんと母にも伝えても出たというのに、想定外のことが起こった。夫が帰る時間帯に家の中で臭いがしては悪いと思い、きっと必死でトイレにむかったのだろう。ほんの一時間ほど買い物に家を空けた時に起きた出来事だ。

ところがその方は、「そんなことありますよね~」と、そこからもっとわたしの時は大変だったという話しをされる。

やれやれ、そういうことではないのだ。ほんとうにそういうことではない。たとえ思ってもいなくても「それは大変でしたね」そんな一言だけでわたしは和むし救われるだろう。なんなら心から感謝だってするだろう。

そんなわけで、ケアマネの友達と話した。彼女は介護歴20年以上のベテランさんだ。

思い切って話してみてよかった。やっぱりこれって普通にあることなんだなと思えた。そりゃそうだ。これだけたくさんの方が働いているのだ。考え方だって色々あるだろう。

それに、年寄りの話しばかり毎日聞いているのだ。面倒くさくもなるよねと思えてくる。どこにでもある話だしねとも思う。ただね、介護初心者マークのわたしは、毎度ちょっとだけ嫌な気持ちにさせられるそんな方にお世話にならなきゃならないのかと思うと憂鬱なのだ。

友達が言ってくれたように、相性のいい人と出会えるはずだと思いたい。今は、母が家族以外の人が介護の手助けに家に入ることを怖がらないで欲しいと思っている。母は怖いのだ。先日乱暴に扱われた記憶がまだ強烈に残っている。けれど、わたし一人では介護は無理だ。ここまできて、それだけはわたしにもわかる。

※少し深刻になってしまいました。最後までお読みいただきありがとうございました。


※スタエフでもお話ししています。

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