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【介護】サインを見過ごさない
介護をしていると、あ、あの時、と後悔する時があります。
今年は風邪や胃腸炎で母のダウンが続き、体力が落ちたというのに、
今、固形物が食べられなくなって一週間程になります。
原因は新調した入歯のかみ合わせが悪かったことでしたが、
「新しい入歯で歯茎が痛むの」
と母がいったあの時、
「じゃあ、一時、古いのを使ってたら」
と簡単に答えて、わたしはバタバタと動いていたのです。
それから2日後、母に元気がなく、少しうつむき加減です。そんな様子が気になり、その夜、お喋りしながら母をマッサージしていたのです。すると、
「珍しくお父さんの夢をみたの。出かけるお父さんを見送ろうと思ったら、お父さんが戻って来てね、わたしの左の手のひらに生卵を割って、そのまま、じゃあねって出かけて行ったの」
というのです。
「おかしな話ね。生卵を掌にだなんて、ね~~」
と、笑っていたのです。
その翌朝、母の顔が半分大きく腫れあがっています。驚くわたしに、
「昨日あなたが揉んでくれたでしょう。とっても深く眠れて、口の中が少し落ち着いてきたの」
というのです。
ここにきて、わたしは初めて、母の顔がどれほど腫れていたか、口の中がどれほど大変なことになっていたのか分かったのです。
痛いとか、辛いとか、決して口にしない人です。
それにしても、なぜ気が付かなかったのか、自分でも不思議です。
以来、母は固形物が食べられていません。
今日は訪問医さんに、点滴のような飲料水を処方して頂きました。
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こちらは、食事で不足する栄養を補う飲み物だそうです。コーヒー味の一缶を4回程に分けて飲んでみることにしました。
胃腸炎が終わった突端、口内の傷。
母は目に見えて細くなり、声にも力がなく、風呂に入る力もなく、ようやく歩いて移動が出来ています。
手のひらに生卵?!、なんて笑い飛ばしていたのですが、亡き父が夢で、何か滋養のあるものを口にしないと危ないぞと教えてくれていたのかもしれません。
考えてみると、今は母の楽しみは食べることぐらいです。
プリンや、ヨーグルトや、おかゆや、ポトフや、煮物の裏ごし、、、もいいのですが、飽きるようです。なかなか食が進みません。
なにかないかな~と見回していたら、良いものを見つけました。
JALの機内食です。裏面をチェックすると体に障りのありそうなものは入っていないようです。
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で、今日は、くたくたに煮込んだ素麺にお豆腐を加えて、オニオンコンソメ味ににしてみると、喜んで完食でした。
実は、母はハンバーグ等の、え?と思うようなしっかり味が好きです。大好物はフレッシュネスバーガーのクラッシックバーガーです。結構なボリュームなのですが、普段ならポテトまで完食します。
ということで、明日は、こちらのビーフコンソメ味を使ってみることにしました。
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もうすぐ91歳、
ほんのわずかなサインを見逃さない、
こんな失敗を繰り返して、だんだんと分かってくるのだと思うのですが、あゝあの時、と思わないためにも、毎日母と落ち着いて会話を交わす必要があるな~と思うのです。
※最後までお読みくださりありがとうございました。