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ミルメークの日はるんるん
小学一年生の時、六年生のパートナーが割り当てられて、日常生活や、遠足の時にお世話をしてもらうという制度があった。
当時6歳だった私にとって、5つも年上のお兄ちゃんたちは本当にかっこよかった。
私の学年は人数が少なかったので、
一部の児童には、一年生一人につき、六年生が二人パートナーとしてついてもらっていた。
私には二人パートナーがいて、どちらも男のお兄ちゃんだった。
一人はいつもにこにこしていて優しい人で、もう一人は無愛想に見えて、ちゃんと私を気にかけてくれる人だった。
教室ではたくさん話しかけてきて、私が知らないことをたくさん教えてくれたり、
遠足で山を登った時は、疲れて歩くスピードが遅くなっていた私の手を優しく引っ張ってくれたり。
上の兄弟がいない私は、本当にお兄ちゃんがいたらこんな風だったんだろうなあ、と想像を巡らせながら、
大好きなお兄ちゃんたちとの時間を過ごしていた。
ある時、六年生の教室で、パートナーと一緒に給食を食べるという日があった。
六年生の教室は、机も椅子も比べ物にならないくらい大きくて、配られるパンも、六年生用のものは一回り大きい。
掲示物には難しい漢字がたくさん書かれているし、六年生の給食の配膳のテキパキした様子も、すごくカッコ良かった。
お兄ちゃんに「緊張してる?笑」と声をかけられるほど萎縮していた私の前に現れたのは、
ミルメークだった。
実は、その日が小学校に入学して初めて給食にミルメークが出た日だった。
当然、この小袋に入った粉の正体は分からないし、
それを牛乳に入れて飲むことなんて知るはずがないし、
教えてもらったところで、牛乳パックを上手く開くことができない。
全部お兄ちゃんたちに教えてもらいながら、何とか粉を牛乳に入れた。
ストローで一口、飲むと、、
美味しい!!!
甘みがついた牛乳は、パンにとてもよく合う。
六年生になったら、毎日こんな牛乳が飲めるのかあ
それが私の初ミルメークの感想。
そう、私は、ミルメークが特別メニューだと知らず、
パンが一回り大きくなるのと同じ原理で、
六年生になったら牛乳も普通のものから毎日ミルメークにアップデートされると思っていた。
それがありえない夢だということには幸い、すぐに気づいたけれど、
大人の財力と自由を以ってすれば、実現できちゃうのよね、毎日ミルメーク。
いや、夢は夢のまま。
大切にしまっておこう。