シーブリーズ
シーブリーズ。
青春の代名詞。
シーブリーズには色んな思い出がある。
中学生になると、それまで気にしたこともなかった「汗くささ」や「汗染み」が気になるようになる。
それをカバーするために、みんな揃って買い始めたのが、シーブリーズ。
ボトルの色ごとに匂いが違っていて、みんな自分のお気に入りの匂いのものを買っていた。
体育の授業後の女子の机の上には、
次の授業の教科書と、水筒と、シーブリーズのボトル。
着替えが遅くて次の授業の開始時刻を過ぎているのにまだバタバタしている教室で、
「授業に関係ないものはしまいなさーい」と、先生が注意する。
中学3年間の担任は特にシーブリーズに厳しく、
体育後の教室に入ってきて、一言
「くさっっっ!!!」
「何このにおい!あんたら若いんやから汗のにおいの方がよっぽど良いわ!」
確かに、教室の中は色んなフレーバーが混ざってとてつもなく甘い香りになっていた。
それでもシーブリーズを使い続けていたのは、
やっぱり、汗のにおいがするのは嫌だと言う気持ちもあるし、
シーブリーズそのものへの憧れみたいなものもあったと思う。
私が読んでいた中高生向けの雑誌には、夏の時期になると決まって「シーブリーズ物語」みたいな企画があって、
読者に人気のある女の子のモデルさんと、
名前は知らないけど何となくかっこいい男の子のモデルさんが
シーブリーズを通した青春ラブストーリーを描いていた。
そのおかげもあってか、
「シーブリーズを使ったらモテる」という謎の方程式が女子中学生の間で共通認識のようになっていたのかもしれない。
部活終わりに気になるあの子を見かけて、「おつかれ」って声をかけながらシーブリーズパシャっとかけるとか。
「今日シーブリーズ忘れちゃったんだよね、貸してくんない?」「ドキッ、、」とか。
「限定パッケージのキャップのところ交換しようぜ」とか。
シーブリーズだけで青春のワンシーンがいくらでも撮れる。
あと、シーブリーズを語る上で忘れてはいけない悲劇もある。
シーブリーズのキャップが開いてしまって、カバンの中がびしょびしょになる事件。
これ、1ヶ月に1回くらいはクラスの誰かがやらかしてたよね。
窓際に干された、甘ーい匂いの指定カバンは今でも目に焼き付いている。
ここまで、シーブリーズについて色々書いてきたけれど、
実は私は、一度もシーブリーズを使ったことがない。(え、)
かなり前の記事にも書いた通り、中学時代の私は、
流行っているものを避け、皆んなと同じものを嫌う人間だった。
だから、大流行していたシーブリーズは意地でも使うもんか、と思っていたし、
そもそも、汗という液体に対して、シーブリーズという液体で対抗することの意味が分からなかった。
ベタベタなところに液体をつけたところで、もっとベタベタになるだけじゃない??と思っていた。
だから私は、汗拭きシートや無臭のスプレーを愛用していた。
シーブリーズ、使ったことないくせに色々語ってごめんなさい。
今となっては「私もシーブリーズで青春しときゃ良かった」と軽く後悔しているので、
知ったかぶりで気を紛らすことにしている。
シーブリーズの青春エピソードを持っている人がいれば、是非教えてください。
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