コロナよりもノロウィルス
隣の県にも、コロナウィルスが上陸してきた!
と、職場の慰安旅行として予定していた行き先を変更し、さあどうする?! とコロナウィルス対策も文書化して(上司が)戦々恐々と待ち構えていた矢先、ついに出てしまいました。
それは・・・コロナ・・・
ではなく、
ノロウィルスが。
コロナウィルスどころではなくなってしまいました。
ここ数年、当施設ではノロウィルスは出ていなかったようなのですが、簡易検査キットでうっすらと線が。
大慌てで感染用セットを準備し、マニュアルを見直しながら感染が広がらないように対策を講じていきます。
「セットがない?」
「次亜塩素酸だから、ええと・・・何ppm?」
「汚物の処理の方法は・・・!?」
患者さんはそこまで吐き出すような嘔吐はしてなくて、どちらかというと下痢の方が強め。それも軟便くらい。
症状としては落ち着いてますよね。
これが、本当に典型的な症例のように、みんなでテーブルを囲んでいる最中に吹き出すような嘔吐が出てしまったらどんなに大変でしょう。
病院勤務時代は、幸か不幸か、ノロウィルスに遭遇したことがありません。ノロウィルスだけじゃなく、疥癬だってそうです。
インフルエンザは、人工呼吸器が装着するくらいの重症例には当たったことはありますが、人工呼吸器がついていれば、感染管理は割と簡単。
だけど、ノロウィルスなんて、現場で経験したことがないので、実際がどういうものなのかがいまいちわからず、マニュアルをみながらあたふたしてしまいました。
以前デイサービスで働いていたときに、2回ほどシミュレーションをしていて、そのおかげでなんとなくのイメージはついていましたが、実際に対応するとなると、吐物処理だけじゃなく、ポータブルトイレに出た便の処理はどうするのか、とか、隔離はどうするのか、とか、こまかな対応に迫られることになるんだということを実感しました。
ちなみに、吐物処理のとき、吐物の上に紙の手拭きをかけて、その上から次亜塩素酸ナトリウムをかける、というようなマニュアルになっているところも多いのですが、最近の研究で、紙だと次亜塩素酸が不活化するので、できれば捨ててもいい布などを準備しておいた方がいいそうです。
情報を日々更新していくことと、何度でもシミュレーションしておくことってたいせつだなぁと実感しました。
あらためて。
ノロウィルスは、100個以下という少量で人に感染し、腸管内でウィルスが増殖します。
潜伏期間は12〜48時間。突然の嘔吐や下痢、腹痛などの症状で出現し、発熱は軽度なことが多いです。
検査は、3歳未満か65歳以上で保険適応となります。簡易キットでは、ノロウィルスに感染していても陰性となる場合もあり、検査でノロウィルスに感染していない、と確かめることはできません。
アルコールはあまり効かないため、0.01〜0.2%次亜塩素酸ナトリウムで消毒します。そして、しっかり流水での手洗いが必要です。
感染性胃腸炎もいま、増えているようなので、基本的な感染対策として、手洗い・うがい、と歯磨き、をしっかり行って感染対策をしていきたいですね。