余命10年を2年半ぶりに観てみた
適応障害により休職中(もう少しで復帰予定)の私、涙を流すことがよいと聞いて、公開日直後に観に行って号泣した映画「余命10年」を、2年半ぶりに観た。
そのときはまだ大学生で、今は社会人1年目。環境も変わって、今感じることはなんだろう、と気になったのもあってのチョイス。
今日は感想文、のようなものを綴っていこうと思う。自分のための記録だ。
それって、すごくずるい という言葉
物語の冒頭、主人公である茉莉の中学の同級生の和人は、会社をクビになり、引きこもった生活を送り、自殺を試みる。命に別状はなく、骨折などで症状は済んだが、「生きる意味を感じられない」と話す和人に、不治の病を患う茉莉は「すごくずるい」と本音をこぼす。
和人は茉莉の事情を知らないため、最初は面食らった様子だったが、茉莉と話したい、と呼び出し、「死にたいなんて思わないでください」という約束を茉莉と交わした。のちに2人は付き合うことになるのだが、この約束は、和人に生きる意味を与えたものだった。
私は、このセリフを聞いて、先月苦しんでいた自分のことを思い出した。
パートナーに、「私に生きる意味なんてない、わからない」とこぼした自分を思い出した。自分がそのくらい追い詰められていたのも事実ではあるが、ひどいことを言ってしまったなと。
愛するパートナーが、「生きる意味を感じられない」と話した時、どんな声をかけられるだろう。生きる意味は人それぞれだ。しかし、「愛」という1つの関係を持つ以上、やっぱりパートナーは自分の1つの生きる意味になるんじゃないかと思う。
結局私もずるかったのかもな、と思った。きっと、茉莉のような立場の人からしたら、したいことは山ほどあって、でもできなくて、だから、そんなことを言う私にずるい、と思うだろう。
「愛」というものが人生に与える影響
この映画は、きっと「愛」がテーマだ。もちろん、茉莉と和人という2人の愛も描かれるが、出版社に勤める友達の沙苗、支えてくれる母、父、姉などさまざまな人物と茉莉の関係性が描かれる。時にぶつかり、時に支え合いながら生きる茉莉は、とても「人間らしい」姿だった。
物語の中で、和人のバイト先の店長は、和人に「愛する人に出会えるなんて、奇跡みたいなものだよ でもお前は運がいいよな、そういう人に出会えたんだから」と言う。この言葉も、今の私にすごく刺さった。
人はやっぱり1人では生きられない。誰かとの関わり合いがあって、初めて生かされる。生かしてもらってるのかもしれない。
愛する人がいるのは、奇跡みたいなもの。当たり前じゃない、貴重で、ありがたいもの。だからこそ、人との関わりを大事にして、日々に感謝して生きることが大切なのかもしれない。
じゃあ、私はどうすんねんって話で
この映画を観て、改めて私は当たり前のもののありがたみに気づけていなかったなと思う。
いや、当たり前になったらそもそも気づくのが難しい話だが、気づかせてくれるこのような作品に、まずは感謝。
そして、茉莉や、和人のように「頑張る」ということをしたいなと思った。
正直、ここ数年、本気で頑張ることから逃げていたような気がする。いろんなことを言い訳にして、1人でクヨクヨ悩んでもやもやして。
こんなはずじゃなかった、とは言うものの、こんなふうにしたのも自分だった。もちろん、全て自分が背負うわけではないけれど、自分の考え方、解釈も全て、変えられたはずだと思ったら、なんだか今までの自分が嫌になってきた。嫌い、というか気に食わない。
物語の中での2人の約束。茉莉の言葉。
「じゃあ、私も頑張るからさ、もう死にたいなんて思わないでください。」
この言葉が全てだと思う。
私は、頑張って、それが報われない未来を想像して、傷つくことを恐れて、
目標を描くことから逃げていた。
そうなると、なあなあに生きるしかないから、それは幸せでもないし、
人生に面白みもない。そりゃ、生きる意味も見えなくなるわな。
だから、私は未来の私を幸せにするために、そして今のパートナーや家族と幸せになるために、頑張ることをしたいなと思う。
そう、前向きに思わせてくれる映画だった。
とはいえ、忘れたくないこと
ただ、こうやってアクセルがかかりまくっているときの自分は調子がいいわけで笑
言うこと書くこといつもでかくなっちゃう。
忘れたくないのは、目標や未来に対しての進み具合が全てではないということ。私はバカ真面目で完璧主義なきらいがあるから、目標掲げてやってく中で、ああこれもだめか、と現実と理想のギャップにすぐ打ちのめされるだろう。
それで先月も苦しんだわけで。理想の自分になれていないから、だめだ。
こんな自分は生きる価値がないと思っていた。
ただ、これだけは忘れるな。目標達成が全てではない。大事なのは、私が幸せかどうか。
それだけは忘れずに、ポジティブに生きていけたらなあと思う。
幸せになるために、目標があるんだから。目標を追っていく中で、幸せまで手放したらそれは本末転倒。
もちろん、つまずくことはあって当然。そんなときに、だめだ、、と思うんじゃなくて、今、私は幸せに向かっている最中なんだ、と思えるか。
いやはや、作品のメッセージを純粋に受け取りつつも、シビアな考えは残る私、ちょっとおもしろいなとも思ってきた。
映画の感想から大幅に脱線はしたが、こうやって気づきを与えてくれる作品は本当にありがたいし面白い。
そして、映画を観てすぐこうやって思ったことを言葉にしてみる、というのも楽しい。
頭もすっきりするし、自分の解釈を言葉にして、落とし込むことでより一層映画を観た時間が有意義に感じられる。
これからもこうやって、ちょいちょい言葉にする機会をつくれたらいいなあ。