意外と知らない龍(竜)のこと、爪の数
意外と知らない龍(竜)のこと、爪の数
そもそも龍(竜)とは、中国などの東アジア地域の古代神話で登場する神の化身であり瑞祥の象徴です。その歴史は紀元前5千年まで遡ります。
中国の龍は権力を表し皇帝の服飾品や器物にしばしば用いられました。龍の体は9つの動物からできており、角は鹿、耳は牛、頭は駱駝、目は兎、鱗は鯉、爪は鷹、掌は虎、腹は蜃(みずち)、うなじは蛇と言われています。
↑蜃とは、蜃気楼を作り出すといわれる伝説の生物。古代の中国と日本で伝承されており、竜の類とする説とその傍らに巨大なハマグリとする説があるそうです。
日本人は龍または竜と書きますが、中国語では龙です。龙は龍を簡略化した文字で、たいていの中国人は龍と書いても理解してくれます。一方、竜という字は、古代中国語であり現代の中国人は使いません。
台湾、香港、マカオや東南アジア諸国の華僑地域では、龙ではなく龍の字を使います。
日本語には「龍」と「竜」の二つの漢字がありますが、ネットで検索すると中国が龍で、西洋のドラゴンは竜と書くという説明がありますが、根拠となる文献は見つかりませんでした。
広辞苑ではへびの形を描いた象形文字。「竜」は、その省略形と解説されていますので、「龍」と「竜」は同じ生き物であると言えそうです。
ちなみに古代中国では雄のりゅうを「龍」、雌のりゅうを「竜」として分けていたとの話もあります。
中国の龍と似た生き物として、西洋にはドラゴンがいます。どちらも外見は似ていますが、ドラゴンと龍はまったく異なります。
西洋のドラゴンは、翼を持ち火を吐く悪魔の化身でありキリスト教では悪と罪の象徴です。
一方、中国の龍は、邪気を追い払い災害を避け、縁起の良い力をもった幸運をよぶ生き物であり、中国皇帝にとっては権威の象徴です。
ちなみに英語では、西洋のドラゴンと区別するため、中国の龍をチャイニーズドラゴン(Chinese dragon)と呼びます。
皆さんは龍の爪(指)は何本あるかご存知ですか?
龍の爪なんてどうでも良いと思うかもしれませんが、昔の中国人にとって爪の本数はとても重要な意味を持っていました。
実は古代の中国では龍の爪数について明確に定まってなく唐・宋の時代までは三本爪が基本でした。
たまに前足が三本爪、後足が四本爪の場合もあります。
元の時代に入ると、五本の爪をもち、頭に二本の角をはやした「五爪二角」だけが本当の龍であると定義され、五爪二角の龍文が皇帝専用の文様となります。以降中国では皇帝以外の者が五本爪の龍を使用することが禁止されます。
明・清の時代になると爪の本数が所有者の地位を意味するようになり、階級によって三本爪、四本爪、五本爪を明確に分けるようになりました。
五本爪の龍
最高位の王を表していました。五本爪が使えるのは皇帝だけであり、もし他の人が間違えて使うと政治犯として罰せらました。
龍の爪数の決まりは、服飾以外の芸術品にも適用されています。現存する明・清時代の芸術作品はほとんどが四本爪の龍です。皇帝に捧げた五本爪の龍は非常に希少であり博物館などでしか見れません。
現在でも暦の十二支の龍の絵柄の多くは四本爪です。
五本爪の龍が皇帝専用となった元・明・清の時代において朝鮮(韓国)や琉球(沖縄)など周辺諸国の王は中国への配慮から四本爪の龍しか使いませんでした。
龍は皇帝、天皇を意味し、中国五本は五行思想から出ていると思われます。
日本では五行思想の五より三の方が縁起がいいとされ(日本は天、地、海の三界が大きな意味を持つ)、三本龍の方が好まれました。
中国でも三本指の龍は普通に描かれており、この時は天地人を支配するという意味もこめられるため、五本、三本に格上格下はなくそれぞれが別な意味を持っていたと思われます。それぞれの時代の王朝が掲げる宗教的な意味合いがつよいです。
朝鮮半島では皇帝、天皇もいません。
龍など描こうものなら、中国からきついお叱りを受けますので宮廷に龍はいません…。
苦肉の策として爪を四本にして、中国の監視から逃れたようです。
ごく少数の韓国人は「韓国は四本爪の龍だが、日本のは三本爪なので格下である。」と言って優越感を抱いているとの話があります。しかし、朝鮮人は爪の意味合いでなく、この発想の延長上で日本の三本龍は格下という妄想を抱きます。五本、三本があるのでのこった四本という意味のない数です。
日本が中国から最も影響を受けたのは、王朝と緊密な交流をしていた隋や唐の時代であり、その当時の中国では三本爪の龍が基本でした。
日本には遣隋使や遣唐使らによって伝わった昔の三本爪の龍が今でも残っていると考えられます。
「天・地・海」「天・地・人」を表す爪の意味とその数
これが日本の龍ですね♪
Miracles can happen.