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44.装具を外すとき
私は麻痺した足に装具を着けて歩いていました。
この記事にあるレベルの装具ではなかったにせよ、フラットな病院内の廊下ではなく凸凹、傾斜がある一般道では装具を装着しないと怪我をしてしまうため、外すことは叶いませんでした。
そうなると履く靴には限りがあります。
「装具 靴」で検索をすれば分かりますが、靴でのお洒落が出来なくなります。今現在は装具を装着していてもお洒落な靴を履けるように、当事者さんが開発して販売している靴はあります。けれど、当時は開発されてもいなく、私自身も当事者でしたが学生でもあり「自分で靴を創っちゃえ!」的な発想もなく、そして周囲のアドバイザーたちも「お洒落よりも先ずは身体を治すことが先決。」という言葉ばかり。
20代前半の女の子が、サイズが小さな男物の靴を選択しない限り、装具用の靴しか選択肢がなかったのだから嫌になります。
2度目の入院の時の20~30代の若い患者さんたちは、1度目の頃に比べてネガティブで「服も靴もこんな病気になったのだからどうでもいい。」という考え方が多く、この考え方に飲まれたくないと感じてしまいました。
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私は日常生活に一旦戻り、キャンパスライフも楽しんでいたし、休学はするも東北と地元の大学病院の整形外科病棟の明るい雰囲気に慣れ親しんで古巣に舞い戻った時点で違う風景を見ていたのかもしれません。
私は2度目のリハ病院入院期間中「装具を外して普通の靴を履く。」ことに、やがてフォーカスを当てるようになります。
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9月中旬に退院することを決めていたこともあり、また、退院までに装具を外すことを目標に頑張りました。当然PTも出来るだけのことを一緒にしてくれました。
古傷だった剥離骨折(私はこのパターン。小学3年生の時に酷い捻挫を経験して癖になっていました。)とじん帯断絶も手術で治療してもらったし、ついでに腱移行で正座は出来なくなりましたが、出来るだけ内半捻挫にならないように足の工事もしてもらったお陰で、不安は残りましたが目出度く装具を外すことに成功しました。
その後無事、退院しました。
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長距離を早足で歩かなければならない大学への通学や、人ごみの多いところでの歩行は怪我の防止用として装具着用は求められましたが、普段行っていたお散歩は装具を外した状態で行い、徐々に距離も伸ばしていきました。
そして10月に復学、翌年の1月には完全に装具を外しました。努力の結果が実を結ぶことになります。
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