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【不自由な身体を持つこと】19.歩くようになって装具を付けた

装具って知っていますか?

例えばスポーツで膝のじん帯を切ったり、アキレス腱を断裂したりする大けが等を負った場合、歩行をサポートするための器具です。

当然私のような病気になった人にも装具を付けて歩き、日常生活に戻れるよう訓練をしていきます。

多くの人は、上記のサイトにあるような大型の装具を付けています。また、装具に関しては上記サイトが詳しいので良ければお読みください。

私も作りました。でも、膝下までの長さではなく、足首までの、丁度足首のサポーター程度の長さのゴム製でした。

歩き出してからの私の回復は速く、また、PTの指針も私の身体には合っていたのでしょう、他の患者さんより上手に歩けるようになっていきました。

装具の話しが出たのは退院も迫って来たころで、普通の道路は病院の床のようなフラットなコンディションではないし、長距離を歩くことを考えると装具を作る方が良い。と結論が出ました。

病院が契約している義肢装具士によって、オーダーメイドで装具を作っていきます。工程的には簡単で、私の場合は石膏で足形を取り、1-2週間ほどで納品されました。

でもね、装具を付けると歩行は安定しますが、今まで履いていた靴が履けなくなるんです。

一回りも幅が大きくなるので、華奢なパンプスなんて履けるわけがない。もちろんヒールも、ブーツも全部履けません。

手も足も選択肢のない生活に変化していたのです。

今現在の私は装具を外して20年近くなります。外すまでは、それなりに努力をして、それなりに痛い思いをしました。そして足元のオシャレを手に入れました。

こんな病気で5cmヒールが履けるようになったなどは、本当に奇跡です。

けれど、両膝のじん帯を痛めたり、正常な左足の膝関節が変形性膝関節症になったりと、もうヒールは履けません。

そして今履いている革靴は、全てセミオーダー。レインブーツとサンダルだけ既製品です。サンダルと言っても踵が付いている、ユニセックスタイプですけどね。足先の怪我防止用でソックスは履かないといけませんが、夏にサンダルが履けるようになったことは嬉しいです。

ただ、次回から革靴を作るなら、木型から作るフルオーダーに挑戦しようと思います。膝のこともあるし、靴から来る障害を見越して、自分の足に合う靴を作らないと歩けなくなるのは困りますし。

そんな私たちのような選択肢のない日常に朗報。装具を付けても履けるオシャレ靴を当事者の方が開発し、販売しているようです。

私は装具は卒業していますが、装具を付けていて足元のオシャレができない方には吉報かと思います。

人間っていつまで経ってもお洒落心は持っていたいですもんね。

ただ、女性でも男性でも「麻痺した身体でお洒落をしたい」というマインドを持ち続けることは、非常にキツイことです。身体がパリッとしないと、お洒落なんて二の次、三の次になってしまいますから。

無理やりにでも「健常な人々に負けないぐらいのお洒落さんでいたい」と思っていることが、メンタル的にも倒れない1つの方法だと感じています。(あ、やっぱり凄く負けん気が強いのかなぁ。。。私って)

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