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『人間の教科書』まず極意を知る

何事も極意を最初に知ることが大切です。
なので、まず最初に極意を発表します。
聡く楽しく生きていくための極意とは…
ずばり「エポケー」です。

エポケーってなんじゃ???ですよね。
はい、そうなるのは分かっていたので、あえて極意という言葉をタイトルにしておきました。よく分からないものが最初にあると取っつきづらいですからね。
でも安心してください。
エポケーというのは「判断留保」という意味です。
哲学用語らしいのですが、実は僕もつい先日覚えたてです。
でも、この言葉を知る前から「判断留保」が大切とは思っていたのです。
そしたら、こういった態度のことを専門的には「エポケー」と呼ぶらしいということをひょんなところから知ったので早速使ってみました笑。

では、どうしてエポケーが極意なのでしょう?
例えば「人生の極意は感謝ですよ」とか「愛です」とか言う方が一般的には極意っぽいと思うんですよね。
なのに「判断留保」が極意とはコレいかに?

結論としては「エポケーできることが、あなたの世界の可能性を広げる」からですね。

人間はなんでもすぐ分かった気になるところがあります。
例えば、かつて人間は太陽が地球の周囲を回っていると思いこんでいました。それが社会の常識で、誰もがそれを受け入れていたのです。
でも今は「地球が太陽の周りを回っている」という知識が常識化していますよね。
はい、では、なぜ昔の人は、そんな思い違いをしていたのでしょうか?
昔の人は教養がなくて愚かだったから?
現代の人は教育が行き届いていて賢いから、ということでしょうか。

もし、これに近い答えをあなたが抱いているなら、
あなたには、まだエポケーが足りていないということになります。

本当に天動説は間違いで、地動説が正しいのでしょうか?
科学的に地動説の正しさは証明されている。
はい、それはそのとおりですね。

では科学は万能なのでしょうか?
現代においては大体の場面で万能だと思われています。
しかし科学もまた行き詰まりを迎えている局面があります。
例えば、宇宙のビッグバンです。
宇宙はビッグバンから始まったとされていますが、これも最先端の研究では「やっぱりビッグバンは間違っていたかもしれない」となっています。
アインシュタインの相対性理論も間違っていたかもしれない、となっています。

更に、もし科学が万能だったとしても、げんに解明されていない謎は山ほどあるのです。
とすると科学はほとんどの場面で万能と思われているわけですけど、万能であるとは決して言い切れないわけです。
つまり「科学は万能である」という判断は留保した方が、より本質に迫れる可能性を残すことが出来る、というわけです。

こういう、なんでも信じきらない、意識の片隅でエポケーする態度を残しておくことは、物事の本質に迫っていこうという時、とても大切です。
むしろ、これが欠けていたら迫れるはずの本質には、もう決して迫ることはできないでしょう。

そう、例えるなら「赤ちゃんはコウノトリが運んでくる!」と信じ込んでいて全く疑う態度を持っていなかったら、その子は一生そう思って生きていく可能性があるってことです。
だから「赤ちゃんはコウノトリが運んでくるって言われてるし、ぼくもお友達もみんなそれを信じてる。きっとそうなんだろう。でも…本当にそうなのかな」というようにどんなことに対しても、少し疑問の余地を残しておく。そうすると、その疑問を足がかりにして真相に迫れたりするわけです。

それに社会常識とされていたこと、あるいは国や有名な研究機関などが発表していた内容が次々と訂正されていくなんてことは今や日常茶飯事ではないでしょうか。
だとすると、常にエポケーしながら情報に触れることは、むしろ現代人にとって必須の態度と言っても過言ではないのではないでしょうか。

こんなのが極意なの?極意っぽくないなーと思われる方もいるかもしれませんが、このエポケーこそがあとあと効いてきます。

というわけで、極意その1は「エポケー(判断留保)する」でした。

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