有酸素の世界 無酸素の世界
私達が体を動かす時。
その用途に応じてエネルギー生成の方法が異なるのをご存知でしょうか。
今回のテーマは“有酸素の世界、無酸素の世界”。
よろしければお付き合い下さい。
さて、例えば、ヨガをする時。
ヨガは呼吸をとても大切にします。
息を吸うのは交感神経支配。息を吐くのは副交感神経支配。
そんな自律神経の法則を見事に使い分け、筋肉を伸びやかにしたり、筋緊張を保持させたりします。
そう、ヨガをしている時は有酸素の世界です。
一方、筋トレなどをする時。
例えば、重量のあるバーベルなどを持ち上げるような時。
呼吸は必要でしょうか。
いや、むしろ息を止めて一気に持ち上げないときっとあの破壊的な瞬発力は出ないでしょう。
つまり、筋トレは呼吸を必要としない無酸素の世界。
ところで、皆さんは、魚のヒラメやアンコウの捕食シーンを見たことがありますでしょうか。
普段はおとなしく海の底にひっそりと身を潜め、獲物が近くを通ったとたん一気に動いてパクッ。
その脅威的な瞬発力に驚かされます。
このヒラメやアンコウの身を開いてみると色が白い。
そう、これらの白身魚はこうした瞬発力を発揮するのに長けています。
これに対し、赤身のマグロやカツオは四六時中泳いでいる回遊魚です。
つまり、瞬発力というよりは持続力を発揮するのに長けています。
白身は瞬発力で、赤身は持続力。
人間の筋肉にも、これらの魚と同じように、瞬発力を発揮する色の白い白筋、そして、持続力を発揮する色の赤い赤筋があり、用途に応じて使い分けをします。
ところで、なぜ赤筋は赤いのでしょうか。
その正体は酸素を含んだ鉄の色です。
それがミオグロビンというタンパク質にくっついているからです。
赤いといえば、血液も赤色ですよね。
これもヘモグロビンというタンパク質に存在する酸素を含んだ鉄がこの色をしているから。
呼吸で得た酸素が血液となって血管で運ばれ、ヘモグロビンからミオグロビンにバトンタッチしてどんどん酸素が筋肉に届けられていく。
そんなイメージでしょうか。
さて、有酸素の世界では酸素が主なエネルギー源であることは先述の通りです。
では、無酸素の世界では何をエネルギーとしているのかといえば、、
答えは糖です。
つまり、ご飯をいっぱい食べることでエネルギーとしています。
さあ、これから力仕事だ、という時はたくさん食べておかないと力が出ないのはそのためです。
さて、この2つの世界を東洋医学の陰陽で分けていくとさらに興味深いことがわかってきます。
例えば、ご飯をたくさん食べて、力仕事が得意で、暇があれば筋トレをしたりしている人。
それは、男女でいうと、おおよそ男性ではないでしょうか。
格闘技を好み、パンチングマシンで一瞬のパンチ力を競い合うのは男性的な“陽”の性質です。
対して、女性は持続力を発揮し、ヨガをしたり、瞑想をしたり。
自律神経を整えようとすることでる意識を内に向けます。
そう、“陰”の性質です。
そのような有酸素の世界では、細胞内のミトコンドリアでエネルギーが作られていますが、高体温になるとそれがより活発になることがわかっています。
だから、女性の身体は冷やしてはいけない。
ちなみに、その対極にある無酸素の世界、とりわけガン細胞などはミトコンドリアが非常に少ないと言われています。
有酸素の世界は、温かいもの、穏やかで優しい環境を好むのです。
平均寿命が男性よりも女性の方が長い、、これも、もしかしたら持続力を発揮する有酸素の世界と関係があるのかも、、そんなふうに考えても面白そうですね。
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