腰がつらいと嘆くあなたへ
辛いお気持ちわかります。
私も同じでしたから。
あなたは歩けないほど腰が痛くなった。
でも、だからこそ会社を休んででもここへ来れたのです。
つまり、あなたは腰に助けられた。
もしも腰がまだ何も言わずに黙っていたのなら。
あなたはさらに無理を続けていたことでしょう。
これも何かのご縁です。
私の話をふーん、そんな考えもあるのかね、というくらいで聞いて頂けたら幸いです。
よろしければお付き合い下さい。
“この悪い腰さえなければ”と嘆くあなたへ。
お伝えしたいのは、
“あなたの腰は悪くない”ということ。
身体も自然の一部です。
法則に従い、物事は起きるべきことしか起きないのです。
身体に何か辛い症状が現れた。
どうにか治さなくちゃと躍起になる。
症状をおさえつけることが病を治すことだと思い込む。
ネットで色々な治療法を探す。
でも考えてほしいのです。
症状さえおさまれば身体は健康で生命体として安全ということになるのでしょうか。
腰痛は一側面でしかありません。
身体は24時間ずっとあなたのために働いています。
あなたが動いている時も休んでいる時も。
ちょっと食べ過ぎたかな、という時も胃腸は黙って働き続け、逆に食べれない時は糖質の燃焼を最小限に抑えるように身体が調整します。
夜になれば身体が睡眠に向け血圧を下げ、朝になれば下がり過ぎた血圧を上げてすっきり目覚めれるように働きます。
呼吸は、肺のガス交換によって血液の酸塩基平衡を維持し、体内が酸性に傾けば、腎臓がそれを要不要に分け、余分なものは排出されるようにできています。
このように例を上げればきりがないほど、身体はいつでもあなたが快適に暮らせるように一生懸命動いているのです。
あなたはおっしゃいました。
お風呂にゆっくり入ると少し楽になるんです、と。
ほら、身体はあなたにちゃんとメッセージを伝えてくれています。
温めてね、と。
冬の寒い日。
冷えたら一日の終わりにはちゃんと温めることです。
あなたはこうもおっしゃいました。
筋トレした方がいいですか、と。
あなたには立派な筋肉があります。
そのおかげで目も回るような忙しい仕事に打ち勝ってきたのです。
だから今その必要はありません。
人にはONとOFFがあって、どちらも必要です。
身体が治癒する方向へ向かって動く時。
それは必ずほっとしているOFFの時です。
人は最もOFFの睡眠時に、疲れた皮膚、骨、筋肉を修復し、さらには炎症を沈め、脳内ではその日の出来事を整理整頓して次の日に備えます。
ところが、あなたは働き盛りで忙しい。
ただでさえONの瞬間に溢れ、まみれています。
疲れて帰宅し、心身をゆるめたい時間にまでストイックに筋トレしてONにしていたら身体はいつあなたの身体を治すのでしょうか。
また、仕事をしている時には症状がおさまっていて帰宅して家にいると辛くなる、とおっしゃいました。
それは、あなたにあなたの身体に起きている危険を知ってほしいから。
いつでもONでいるということは、そんな大切なあなたの身体の声が聞こえなくなる、ということ。
つまり“鈍くなる”ということです。
そうした一つ一つの声にちゃんと向き合った時、あなたのそのつらい腰痛はゆっくり治る方向へと動き始めるでしょう。
健康とは症状を抑えることでも、悪いところをやっつけて消滅させることでもありません。
あの有名な大震災の時、安全と言われていた防波堤の高さを遥かに越え、大津波はやってきました。
今になり、またさらに高い人工の防波堤を作るのがいいことなのかどうか。
私達の健康もこれとよく似ています。
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