シエスタのような習慣を取り入れた方がよいのかもしれない
夏は暑い季節である。そうではあるが、近年は単に暑いというだけでなく、日差しが突き刺さるような感じがする。そのため、2022年から日傘を使い始めたのであるが、この決断は正解だったと思っている。外出する際に日傘を使うと、そうでない場合に比べて、暑さの感じ方がかなり和らぐ。
しかし日傘で日差しを遮ることができても、気温が高いことはどうしようもない。所用があって、日中に外出した日は、家に帰ると疲れが感じられるため、仮眠をとることが多い。水分補給は意識的に行うようにしているため、脱水症状が出る状態にはなっていないと思うのであるが、それでも暑さにやられているようである。
こうした経験をするたびに、シエスタのような習慣を取り入れた方がよいのではないか、と考える。昼に仮眠ができるくらい長めの休憩時間を設けることは、単に暑さによる疲労への対処という観点からだけでなく、疲労が作業効率に与える悪影響をやわらげるという観点からみても、有意義だと思われるからである。
昨今は、生産性を高めることが、声高に叫ばれている。なるほど、生産性は高い方がよいに違いない。けれども、生産性を高めるということが、しばしば単に効率を上げることと同一視され、その結果として忙しさが一向に解消されないという状況には違和感を覚える。もしも生産性の向上ということの中に、心のゆとりを確保するということも含まれているのであれば、自分たちが置かれている環境――それは職場環境といったものだけでなく、生活する場所の気候なども含めた、広い意味での環境である――から被る影響を意識した上で、日々の活動をデザインする必要があるのではなかろうか。