社会人2年目の憂鬱
大学生は人生の絶頂であった。
そう思いたくはないが、25年間生きた中で一番楽しかったのは大学時代。
ほんの2年前の話である。
2021年4月、私は晴れて社会人になった。
コロナ禍の中、必死に就活して内定を貰った会社はいわゆる日系大手企業。
会社名を言えば大抵の人は聞いたことのある、そんな会社だ。
文系学部卒の私はいわゆる事務系総合職として入社し、ジョブローテーションがある。
営業や管理など様々な部署を4〜5年で転々するようなもので、全国展開している会社なので転勤もある。
入社後の配属は、地方支社の営業。
新入社員にとっては最適な配属と言えるだろう。
総合職は若手のうちに一度は必ず地方支社に配属されるので、新卒で地方に行ってしまえば次のローテーション以降東京本社に居れる可能性が高い。ライフステージに変化のある20代後半以降転勤の可能性が少ないのは大事である。
また、地方支社の営業は一番現場に近いため、若いうちの方がやりやすいという面もある。
そんな最適と言われた地方支社の営業も2年目。
いくら勉強期間とはいえ、毎日が憂鬱であるのだ。
大学時代あんなに一生懸命勉強した英語や国際問題の知識など何も使わない。
就活では有利に働いたTOEIC850も、今やただのお飾りである。
そんな生活があと何年続くのだろうか。
もちろん次のジョブローテーションで国際部門や海外赴任に行ける可能性は十分にある。
しかし、異動までにあと2年半以上もここで足踏みをしているべきなのか。
地元からほど遠い、地方都市で友達も同期も居ないこの地で仕事が私生活の全てになってしまっている今、ただただ堪える日々。
典型的な日本文化の下、欧州留学で得た先進的感覚も全て失い、自分も失いつつある。
1年目とは違い、組織は簡単には変わりもしないし、人が変わっても何も変わらないことを悟ってしまった社会人2年目。
半人前ながら、失いつつある自我に不安を感じる。
これがZ世代だよな〜考えが甘いよ〜
これ以上に待遇と福利厚生が良い会社なんてないから〜辞めたらもったいないよ〜
そんな言葉を浴びせられる日々。
大学時代の学問に一生懸命になっていた日々が懐かしい。
人生の夏休みと言われる大学時代を今よりもよっぽど忙しく勉強していた。
私の天職はやっぱり学生なのかな。