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創作品集

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童話 ショートショート 短編 詩 など書いたものをまとめました。
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#お話

童話 笑美ちゃんのひな人形

3月3日はひな祭り、この日を笑美ちゃんはどんなに楽しみに待っていたことでしょう 。 生まれながらに目の見えない笑美ちゃんが、3歳のひな祭りの時に、 お母様はひな人形を一つ一つ笑美ちゃんの手に触れさせて、 「これが親王様よ。凛々しいお顔をなさっているわ」 「これが内親王様よ。優しいお顔をなさっているわ」 「そしてこれが3人官女よ」と言うように一つ一つのお人形を説明して下さいました。 笑美ちゃんは目は見えなくてもすべてのことを光の波動として感じることが出来るという、不思

僕と龍の物語#3地球で遊ぼプロジェクト

前回の話を読んでない方はこちらです。 深い催眠状態になって、いよいよ地球に生まれる瞬間を各自が体験することになる。地球では時間が直線上に体験されるので、私たちが決めたスケジュールの地球時間にそれぞれが生まれる。 この物語を書いている今日、三月十八日はモエが生まれた日だ。モエは自分が決めた設定通りに、全介助が必要な障害者となって生まれた。 母親は約束通りアサナだ。出産も大変なものだった。医師は三歳まで生きられるかどうかと告げた。誰に何を言われようと、アサナは愛を込めてモエ

童話 「トラとジョージ」 1、はじまり

自転車に乗って、いつもの道を走っていたら、 駐車場にジョージが見えた。 ジョージというのはアニキの白い2tトラック。 名前を聞いたら「ジョージ」と答えたから、 それ以来会う度に声をかけている。 今日ジョージの荷台に猫が乗っていた。 丸々太ったトラ猫だった。 わたしと目が合ったら、わたしが乗っている自転車を目で追いかけて、 ずっとわたしを見ている。 「トラちゃんこんにちは」と声をかけた。 これがトラとの出会い。 トラとジョージは仲良くおしゃべりしていたよ。 トラ

童話 「うず巻きベーカリー」

私の街に新しいパン屋さんが開店しました。 お店の名前は「うず巻きベーカリー」 今日はオープンの日です。パンが大好きな私は、昨日からとっても楽しみで 朝一番に出かけて行きました。 お店に入ると普通のパン屋さんみたいにパンが並んでいません。 すると店の奥から、ニコニコ笑顔のおじさんがパンを運んで来ました。 「いらっしゃいませ。今日はパンは売りません」 「パンは売らないってどういうことですか?」 「さあ、どうぞこのパンを食べてみてください!」 「食べる前にパンをよ〜く見

僕と龍の物語 #1 アボリジニ

前回はこちら https://note.com/ume5chan55/n/nad613617d88d 僕が流れ着いたのは、オーストラリアの海岸だった。 目を開けると太陽に照らされてキラキラ光っている真っ白な砂浜に、肌黒い子どもの足が見えた。 「気が付いたみたいね」女の子の声がした。 「ここは何処?」と声を出した自分に驚き、慌てて立ち上がると体が人間になっていて、更に「うわー!」と大きな声を出した。 「どうしたの、そんなに驚いて?」その子が心配そうに僕の顔を覗き込ん

創作童話 僕と龍の物語 #0

「僕と龍の物語」プロローグ 宇宙神社ポールランドは今日も全宇宙からの参拝客で溢れている。 僕は、いつものように身を清めるために、てみずやの水盤に目を向けると、海路(カイジ)が気持ち良さそうに泳いでいる。 この水盤には湧き水が流れて来る。冷たくて清らかなので気持ちいいに決まってる。水盤にはスイカやトマトが冷やしてあるので、僕はよく冷えた真っ赤なトマトにガブリとかみついた。 カイジは青い龍で地球が出来た時に最初にやって来た龍のグループのリーダーだ。人間が現れるずっと前のこ

トラとジョージ 不思議な村

月夜の晩 いつものようにトラがジョージの荷台で ウトウトしていると ジョージが話しかけました 「ねえトラちゃん。君を乗せてあげるから いっしょに旅に出ないかい」 びっくりしてトラは飛び起きました 「えっ、本当に?それは楽しいだろうなぁ」 いつも閉まっている窓ガラスが その日は少し開いていて ぴょんとそこから運転席に滑り込みました 「わぁ、運転席ってカッコイイなぁ。僕が運転してもいいのかい?」 「うんいいよ。」 トラは運転席に座ってハンドルに手をかけました ブルルン

創作童話 王様とレイラ

昔ある国に、レイラという名の、貧しいけれどいつも希望を持っている、心の優しい娘がいました。レイラはお城のお庭係のおじいさんと二人で暮らしていました。 ある日、レイラがいつものように、美しい声で歌を歌いながらバラの手入れをしていると、王様とお妃様がバラの庭園を散歩されました。レイラの歌声をたいそうお気に入られたお二人は、毎日それを楽しみにしていました。王様はお妃様をまるで宝物のように大切にされて、幸せに暮らしていました。レイラも嬉しくてたまりません。大好きな王様が幸せで国中の

ショート ショート 「しゃべる家」

俺の住むアパートのすぐ近くに住宅展示場とやらが出来た。 まあ、結婚どころか、一生彼女も出来ないだろう俺にはマイホームなんて、夢物語に過ぎない。 日曜日の午後、何処にも行く宛もないので暇つぶしに覗きに行った。 どのモデルハウスも最新の電化製品が配置され、そんな豊かな生活をしているような気分に錯覚させられる。結局、35年とか超長いローンに追われることになるんだろうな。俺には関係ないけどね。 「いかがですか、お気に入りのモデルハウスは見つかりましたか?」 住宅販売会社の社員が