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創作品集

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童話 ショートショート 短編 詩 など書いたものをまとめました。
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童話 笑美ちゃんのひな人形

3月3日はひな祭り、この日を笑美ちゃんはどんなに楽しみに待っていたことでしょう 。 生まれながらに目の見えない笑美ちゃんが、3歳のひな祭りの時に、 お母様はひな人形を一つ一つ笑美ちゃんの手に触れさせて、 「これが親王様よ。凛々しいお顔をなさっているわ」 「これが内親王様よ。優しいお顔をなさっているわ」 「そしてこれが3人官女よ」と言うように一つ一つのお人形を説明して下さいました。 笑美ちゃんは目は見えなくてもすべてのことを光の波動として感じることが出来るという、不思

童話 「トラとジョージ」 1、はじまり

自転車に乗って、いつもの道を走っていたら、 駐車場にジョージが見えた。 ジョージというのはアニキの白い2tトラック。 名前を聞いたら「ジョージ」と答えたから、 それ以来会う度に声をかけている。 今日ジョージの荷台に猫が乗っていた。 丸々太ったトラ猫だった。 わたしと目が合ったら、わたしが乗っている自転車を目で追いかけて、 ずっとわたしを見ている。 「トラちゃんこんにちは」と声をかけた。 これがトラとの出会い。 トラとジョージは仲良くおしゃべりしていたよ。 トラ

創作童話 僕と龍の物語 #2プレアデス

プレアデスの学校 「パメラ、パメラ、もうパメラったらー」突然大きな声がして私は肉体に意識を戻した。 「えっ、なんか言った?」 「さっきから呼んでるのに、またどこかに行ってたんでしょう」あきれた顔してモエが言った。 「ああ、ごめんなさーい。で、なんだっけ?」 今、私は体外離脱して地球の女の子とテレパシーでおしゃべりしていたから頭が混乱している。 「だからさ、パメラはどんな設定にするか聞いてるのよ」 ああ、そうだった。地球で遊ぼプロジェクトの計画をグループのみんなと話

僕と龍の物語 #1 アボリジニ

前回はこちら https://note.com/ume5chan55/n/nad613617d88d 僕が流れ着いたのは、オーストラリアの海岸だった。 目を開けると太陽に照らされてキラキラ光っている真っ白な砂浜に、肌黒い子どもの足が見えた。 「気が付いたみたいね」女の子の声がした。 「ここは何処?」と声を出した自分に驚き、慌てて立ち上がると体が人間になっていて、更に「うわー!」と大きな声を出した。 「どうしたの、そんなに驚いて?」その子が心配そうに僕の顔を覗き込ん

創作童話 僕と龍の物語 #0

「僕と龍の物語」プロローグ 宇宙神社ポールランドは今日も全宇宙からの参拝客で溢れている。 僕は、いつものように身を清めるために、てみずやの水盤に目を向けると、海路(カイジ)が気持ち良さそうに泳いでいる。 この水盤には湧き水が流れて来る。冷たくて清らかなので気持ちいいに決まってる。水盤にはスイカやトマトが冷やしてあるので、僕はよく冷えた真っ赤なトマトにガブリとかみついた。 カイジは青い龍で地球が出来た時に最初にやって来た龍のグループのリーダーだ。人間が現れるずっと前のこ

創作童話 「雨の空の上は晴れ」

「雨の空の上は晴れ」 ある雨の日のことです。 さっちゃんが窓の外をぼんやりとながめながらつぶやきました。 「毎日、雨ならいいのに」 さっちゃんは病気で足が悪くなり、歩けなくなってしまいました。 だから、外で元気に遊ぶことも出来ず、 「雨ならみんなも遊べないから、私と同じ」と思っていました。 その瞬間、さっちゃんは空の上を飛んでいました。 「きゃー。いったいどうなってるの?」と叫ぶとすぐに、 『恐がらなくても大丈夫!』と、どこからか声が聞こえてきました。 さ

童話 野良猫トラと黒猫ルナ

トラが大好きな公園に大きな切り株があります。 この切り株の上で昼寝するのがトラの日課です。 いつものように気持ちよく寝ていると声が聞こえてきました。 「ちょっとそこどいてくれない」 寝ぼけ眼で声のする方に顔を向けると、ピンと真上にしっぽを立てた真っ黒い猫がツンと澄まして立っていました。 「ねえ、早くどいてよ」 「なんだよせっかく気持ちよく寝ていたのに」と不機嫌そうに答えたものの、 トラは一目でその黒猫に恋をしてしまいました。 「君の名前はなんていうの?」 「ルナ」

創作童話 王様とレイラ

昔ある国に、レイラという名の、貧しいけれどいつも希望を持っている、心の優しい娘がいました。レイラはお城のお庭係のおじいさんと二人で暮らしていました。 ある日、レイラがいつものように、美しい声で歌を歌いながらバラの手入れをしていると、王様とお妃様がバラの庭園を散歩されました。レイラの歌声をたいそうお気に入られたお二人は、毎日それを楽しみにしていました。王様はお妃様をまるで宝物のように大切にされて、幸せに暮らしていました。レイラも嬉しくてたまりません。大好きな王様が幸せで国中の