台湾に行ってきた
旅の準備だけで2回note書いたけど、いよいよ本当に行ってきました。
空港来たときのワクワクったら。5年ぶりの海外、行きだけは疲れを知らない。
そして今、帰ってきたばかり。
日本に来たら、便利過ぎてやば、すご、と心の声が何度も。
でも、台湾って海外感、ちょっと弱い。
これまでがトルコとかジョージアとかだったから、ってそんな海外たくさん行ってないんだけど…そんなところと比べたら台湾はまるで日本にいるかのような、でも異国、不思議な感じだった。
でも、本当、近い。
行きも帰りも定刻より30分早めに着いているから、実際には3時間じゃなくて2時間半で着くってところかな。
日本人も多い。
台北からの区間列車乗ってても日本人、割といるから、なんか異国の攻略感、弱い。
日本人は何となく一目でわかる。
なんだろう、韓国人も多くて、中国人、台湾人とたまに欧米人もいたという感じ。
日本からの最も行きやすい海外の一つが台湾なのではないだろうか。台湾は今回、花蓮という地方都市も行ったけど、そこでもファミマとセブンがそこら中にあって、中身は台湾製品がもちろん多いのだけど、日本の製品も結構あって、異国感がそんなにない。
ただ、一見きれいに見えるホテルに入ってもガレキの汚い箇所があったり、街中の空気があまりきれくなかったり(なぜかここで関西弁使いたい)、トイレは紙流して良いやつとNGとが場所によって違ったり、中国語の声が普通にめちゃデカかったり、
当たり前だけど日本とはそういうところが違う。
空気がまた全然違う。
どんな街も、来たとき、「知らない街に来るのってなんか面白い…!」って思う。異国ならなおのこと。
何が美しいのかわからない景色だって、なんかシャッターを切りたくなる。
今回はLCCのピーチを取って、14日の夜に出て15日の明け方に着き、現地で3日間過ごした後、帰りも深夜便で2時前に出て翌朝5時に着くパターン。
料金はこの時期、一般的なチケットと比べて安かったけど、機内預かり付けて、さらに日にち変更したりして結局いつの間にか一般料金の一歩手前までいった。加えて行きの日は、空港のカプセルホテル予約したから、結局同じか…?あれって感じになった。
まぁ、めいっぱい回れたからよしとするか。
LCCの良し悪しにはまた別の機会に書くとして。
今回の台湾ハイライトは郊外と地方都市だった。
中でも台北から電車で1時間くらいのところにある三貂嶺(サンディアオリン)というところがものすごく気に入った。
駅を出ると、川のせせらぎの音。
ローカル線感満載の小さな駅だけど、観光客も多いらしく(ただ、台湾からの旅行客で私のような外国人はほとんど見かけなかった)
2回目に行ったときはツアー客とも立ち会った。
花蓮から台湾の電車の中で、おや、そういえば、三貂嶺の気になるカフェ、もし16時までだとしたら、そのまま行かないと間に合わないかも?高速鉄道で台北まで行ってしまう方が早かったかもしれないけど、車中で荷物を預ける場所とか調べているうちに、もうそのまま行こう、途中の瑞芳に荷物預けて、と思った。
瑞芳にも日本人は割といた。
西の表口から出て次の電車の時間まで適当に街を歩く。
小さなお店の雰囲気が気に入って、檸檬水を頼むと、メイヨウ(もうない)と言われて、駅に近いほうの大きなお店で檸檬愛玉(レモンジュースにゼリーみたいなものが入った飲み物)を買って飲んだ。
台湾では、あのタピオカミルクティーはじめ、飲み物の中にゼリー状のものが入った飲み物をよく見かけた。
普通においしかった。でも、台湾では食い倒れしたいくらいに思っていたのに、すぐにお腹いっぱいになった。
ルイファンの駅で台北で降りなかった分とルイファンから三貂嶺までの乗車分をプラスで払って、向かう。
花蓮を出たのは11時過ぎだったと思う。三貂嶺に着いたのは15時過ぎでやっぱ台北まで行ってからのが良かったのかぁとか思いながらも、急いで目当てのカフェに向かう。
このブログでは、徒歩15分でとあったから
15分くらい歩いた先にあるかな?と思ったら違っていた。外にいた人に聞くと、川を渡らなくてもよかったみたいで、再度駅側に向かう。
どうやら、黄色の建物の左隣2軒にあるとか。
進むと、あった。
お目当てのカフェ、HYTTEヒュッテが。
本当に廃墟と一体化した何とも味わいのある、それなのになんかおしゃれなカフェなのである。
こんなところはどこにも見たことがないし、今後もそう見かけることはないかもしれない。
お店に入ると、小学生くらいの娘さんを連れた親子3人組が座っていて、猫と遊んでいた。父親の方はもう、赤い顔をして、ひどく暑そうだった。
そう、ここには台湾特有の冷え切ったクーラーなど一切なく、昭和レトロな扇風機が回っているだけだった。
台湾の室内でカーディガン一枚では寒いくらいの私には、クーラーない方がちょうどいいなんて思ったけど、やっぱりずっといると暑い。
こんなにおいしいコーヒーもまた、そんな飲んだことないな、と思うほど、ちょっと感動して。そして飲み終えた後、メニューにあるBEERを見て、頼んだ。
暑い中、午前中は花蓮を自転車で回った疲れとで、酔いは割とすぐに回り、むしろ全部は飲みきれなかった。そして、トイレは店内にないというから、ビールを飲んだ後は駅に向かって帰ったのだけど…
このお店で読んだ『銀河鉄道の夜』がとても良かった。この雰囲気の中で読むから良いのか、何なのか。
台湾のカフェでは地方都市の花蓮にさえ、日本語の本が割と置いてあって、このお店にも日本語の本や日本人作家の小川洋子さんの中国語訳の本などがあった。
その中に銀河鉄道の夜を見つけた。挿絵が入った本で、本の後半に日本語の部分があった。つまり最初は中国語で書かれていて、その後はたぶん原訳か、あのまどろっこしい宮沢賢治の文体が出てきた。
子どものころにはとても面倒くさく感じたあの丁寧すぎるくらいの情景描写、感情描写も、大人になってから読むと、するするっと入ってきた。うん、わかるわかるってなもんなんだろう。
ビール飲みながらで、全部はちゃんと読んでないけど、あらすじがわかるくらいには一通り目通しして、こういう話だったんだなぁと思った。
子どもが水難事故に遭う話はこの時期も毎年のようにニュースにあるけど、昔ならもっとあったのだろう。銀河鉄道の夜に起きたこととして、目を覚ましたら、よくわからないけど、子ども心になんか納得して、つらいけど受け入れるという感じだろうか…この辺、ボキャブラリーが少なくてうまく言えないけど。
台湾に来て、ふと千と千尋の神隠しのことも思い出しながら、神隠し的な出来事がふわりと自然に浮かぶ。
なんかそういう土地なのかもしれない。
なんかこの土地に来ると、ファンタジーのような雰囲気もどこかある。日本とそう風景も変わらないのだけど…。
とにかく、このカフェにはなんとも言えない美しさとセンスがあった。
廃墟は瑞芳にも、瑞芳とこのサンリャオディエンの間のホウトンにも、おそらく台湾のあちこちにもあった。
でも、廃墟をこれほどなんとなく美しいとか素敵とか思ったことはなかった。
本でこのお店を見かけたときから、なぜかなんとなく気になっていた。
お店の人もなんか素敵だった。よく見てみるときれいでかわいい女性だったけど、表立って美人という感じでもなく、でもなんか素敵なオーラを持った感じの人。彼女はさすがに袖なしの服を着て、この半屋外の暑さに耐えていた。
親子が帰ると、今度は若そうな女性が手を振って入ってきた。かわいらしい顔をした文化的な雰囲気のある人だった。
彼女が何かを頼んでお金を財布に入れて座った後、お店の人はガリガリ回していた。かき氷でも実は隠れメニューとしてあるのかな?と思って見てみると、なんとコーヒーを毎回手で挽いているらしい。
一杯いっぱい丁寧に淹れますとかそれらしき言葉が中国で書かれているっぽかったけど、まさか挽くのすら、手でやってるなんて…驚いた。こんなお店もそうそう見たことない。注文が入ってから挽くとしても機械で挽くのが一般的だろう。
暑い中、ガリガリ手間な豆を挽いて、一杯を丁寧に淹れて、そりゃおいしいよね…と思った。
お菓子も頼んだけど、素朴で甘さ控えめ、とてもおいしかった。
次に行くことがあれば、あのとき頼まなかったシナモンロールを食べてみたい。次はまた違うものがあるのだろうか…。
見るもの全てが幻のようなお店だった。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?