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【分人主義の視点】

不登校の子や自分に自信のない子から 「自分のことが嫌い。」「このクラスでは、本当の自分が出せない。」 という発言をたまに聞くことがあります。 じゃぁ、もっと自分に自信をもてるようにしなきゃ〜。 じゃぁ、もっと居心地のよいクラスをつくらなきゃ〜。 と、考えて、あれこれ学級経営をしています。 学級経営について、この本を読んだらちょっと違う視点が、見つかった気がしました。 なんだか、こういう視点を知ったら、生きるのが楽になるかもなぁ、って気がしました。

私とは何か――「個人」から「分人」へ (講談社現代新書)

  平野啓一郎さんは、「個人」という単位を「分人」という一回り小さい単位を取り入れたら、世の中の見方が変わるよ、と提案しています。 この本の一番言いたいことは、「たった一つの『本当の自分』など存在しない。裏返して言うならば、対人関係ごとに見せる複数の顔が、すべて「本当の自分」である」ということ。 対人関係ごとに見せる顔を「分人」と呼び、数式っぽくすると、 分人+分人+分人+・・・・=私(自分)というようにとらえるイメージです。 この例えが、分かりやすかったです。 「なぜ、失恋がつらいか。」 自分の中で、その恋人と過ごしている時間だけ現れる「分人」がいるとします。その「分人」が現れている自分のときは、やけに楽しめたり、甘えたりすることができました。だけど、失恋すると、もうその「分人」が現れる機会がなくなってしまう。その「分人」が現れているときの、自分はイキイキして好きだった。でも、もうその「分人」が現れる人生を生きることができないから、悲しい。それが、心のぽっかりと穴が空いたような感覚、という例えです。 恋人と過ごしているときの「分人」 先生と過ごしているときの「分人」 親と過ごしているときの「分人」 友達と過ごしているときの「分人」 どれも、嘘偽りのない自分を形作っているもの。どれか1つの「分人」を好きになることができれば、そこを足場にしてに生きていけるよね、というようなことも書いてありました。 人は人と関わる中で、その人との関係性の中で、自分の中に新しい「分人」を育てていく。言い換えれば、人と関わる中で、自分を発見できたり、自分を好きになれたり、嫌いになったりするよ、ということ。 読みやすい本でした。・・・うーん、この本を読んで、なるほど!と感動したことが、うまく文章で伝わらない気がしています・・・。amazonのレビューの方がわかりやすそうです(笑) とにかく、人との関わりを大切にする学級経営や授業をしたいですね!ということです。

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