【LAD】Dodgersの今オフシーズンの展望
※サムネイルはhttps://www.mlb.com/news/top-2025-mlb-free-agentsより引用
4年ぶり8回目となるワールドチャンピオンに輝いた2024年シーズンのDodgers。次なる目標はワールドシリーズ連覇、王座防衛。それに向けたオフシーズンの展望を、現状と理想から考えまとめました。
現状ロースターの動き
オプションの選択
今オフにプレイヤーオプション又はクラブオプションがある選手は以下の選手です。
このうち、Kershawのプレイヤーオプションの選択は既定路線でしょう。執筆中には、膝とつま先の手術を受けることが発表されたため復帰時期はまたも白紙となりましたが、現役続行も表明しているため早期にオプションを行使すると思われます。
Rojasの$5MMのクラブオプションはバイアウトが$1MMであることを考慮すると実質$4MMとなります。25シーズンも24シーズンに引き続きフルタイムでの出場はないと思われますが、それでも24シーズンの活躍を加味すればオプションが行使される確率は高いと思われます。
Barnesに関してはオプションの行使は五分五分であると思います。Dodgersの捕手の現状は、正捕手にWill Smith、控え捕手にBarnes、MLBに近いデプスチャートとしてHunter Feduccia, Diego CartayaとDalton Rushingが控えているという状況です。来期以降はフロントも若手をMLBで起用していきたいと考えているはずなので、枠を空けるためにオプション破棄も考えられます。一方でBarnesはDodgers組織に気に入られている感じがあり、ベテランのバックアップに$3.5MMオプションを選択するのもそれほど躊躇されるものではないかもしれません。
年俸調停資格選手
金額は予想年俸です(MLB TRADE RUMORS参照)
これらの選手は順当に契約されると考えていますが、強いて言うならBrogdonはノンテンダーされる可能性もあるかなと考えています。
フリーエージェントとなる選手
単年契約で加入し打線の中軸を担ったTeoscar、トレードで獲得し先発陣を引っ張ったFlaherty、Dodgers生え抜きのエースとして活躍し胴上げ投手ともなったBuehler、ブルペンエースとして支配力をみせたTreinenなど8人がFAとなります。
ロースターに残る選手
先発投手(可能性も含む)
Gavin Stoneは肩の故障のため、River Ryan、Kyle Hurt、Emmet Sheehanはトミージョン手術のためにそれぞれ来期全休が見込まれます。
リリーフ投手
苦しい先発の台所事情を救いPSまで息切れしなかったリリーフからはTreinen、Daniel Hudson、Joe Kellyのベテランリリーフ3枚が抜けましたが、依然として結果を出せるメンバーは残っています。
野手
打線のコアであったTeoscar、UTとしてチームを支えた愛され者Kiké Hernandez、守備の名手として時代を作ったKevin Kiermaierが抜けましたが、大きく陣容が変わってはいません。
補強の見通し
先発投手
現時点での予想先発ローテーションは以下のとおりです
山本由伸
大谷翔平
Tyler Glasnow
Tony Gonsolin
Dustin May
はっきり言って非常に心許ないローテーションです。この5人のうち、現実的に考えて30試合以上の先発又は規定投球回到達を見込める選手はいません。
山本由伸は24シーズンは肩の故障で3ヶ月ほど離脱。大谷翔平とGonsolinはともにUCLの手術明けでイニング制限がかかると思われます。Glasnowは24シーズンの134イニングがキャリアハイ。Mayはそもそも24シーズンまともに投げれていません。
ただDodgersは先発デプスの厚みはあるので、25シーズンも24シーズンと同じように様々な選手、MillerやKnack、Wrobleskiなどを登板させることが予想されます。ですが年間を通してローテーションを守れるピッチャーがいてほしいのは事実ですので、少なくとも一枚は補強をすると思われます。
FA市場では元サイヤング賞投手のCorbin BurnesとBlake Snellを筆頭に、Max Fried、Jack Flaherty、Nathan Eovaldiなど大物選手の名前が並びます。
しかし、これらの選手との契約の可能性は低いと考えられます。Andrew Friedman編成本部長は元来先発投手との長期契約を避ける傾向にあり、山本とGlasnowと結んだ契約は特異なものでした。
ですので、長期超高額契約を求められるBurnesやSnellなどは狙わず、短期高額で収まりそうなSean ManaeaやLuis Severino、安価でイニング消費を目的とするならKyle GibsonやPatrick Corbinなどを獲得しに行くと予想します。
ただしGerrit Coleなどがオプトアウトを選択した場合や大物投手が3年以内での契約をしてくれる場合にはむしろ積極的に契約しにいくべきだとも考えます。
また、メジャー経験の浅い若手投手などを使ってトレード市場に出る可能性もあります。Chris PaddackやJon Grayが獲得候補にあがるでしょうか。年俸総額を気にしないのならカージナルスからSonny Grayを獲得するなど多くの選択肢が考えられます。
リリーフ投手
Kopech、Phillips、Graterol、Vesia、Brasier、Bandaを基盤としたリリーフは先発に比べ現時点で安心感があります。それでも、アップグレードしないということはないでしょう。
しかし、Dodgersはリリーフにお金を使わない主義でJoe KellyとKenley Jansen以外のフリーエージェントと結んだ契約は全て2年でAAVが$9MM以下となっています。つまり今オフシーズントップネームであるTanner Scott、Carlos Estévez、Jeff Hoffman、Clay Holmesと契約を結ぶとは思えないということです。
FA市場でターゲットになるのは来期のアップサイドが見込めるような投手、TJ手術から復帰したJonathan Loáisiga、股関節手術から復帰したA.J.Minter、ホワイトソックスでリリーフ転向後奪三振率39%を記録したMichael Sorokaなどが候補に挙がります。
トレード市場でブルペンのアップグレードを図るとするなら、Devin Williams、Ryan Helsley、Pete Fairbanksらがターゲットになると思われます。
野手
今オフの最注目選手であるJuan Soto。
Dodgersは2年連続してオフシーズンに文字通り世代を代表する選手と、前例のない規模の契約をできるのか、注目を集めるところであります。Sotoは大谷が行ったような後払い契約には応じないとされていますが、ここについてはさほど心配がないように思われます。
Dodgersの現時点での予想ペイロールは$160-165MMと予想されており、正直Dodgersの資金力をもってすれば、贅沢税込みでも後払い無しにSotoと契約できる余地は残っていると考えられます。 (CBTは特定の年に実際に支払われる年俸ではなく、契約の平均年額に基づいて計算されるため、チームの膨大な繰り延べは贅沢税支払い義務を軽減しません)
Sotoを加えるならば、今期単年契約から見事な復活を遂げたTeoscar Hernandezに別れを告げなければなりません。彼はQOを受諾しない可能性が非常に高いです。今期のQOでの契約額は$21.05Mであり、成績向上で高額契約を狙うTeoscarには受け入れがたいものであると考えられます。
Sotoが他球団と契約するならばHernandezとの再契約もあるかもしれません。が、Dodgersはこの種の守備範囲が狭いスラッガーとの長期契約を避けてきました。今FA市場ではHernandez、Anthony Santander、Jurickson Profar、Tyler O'Neillはこの傾向から逸脱する存在です。特にHernandezとSantanderに関しては、DHが占有されるDodgersにとって契約後半に外野での起用が厳しくなる存在は好ましくないと思われるので、確率は低いと思われます。
Bettsは基本的にライトでの起用に戻ると考えています。Rojasがショートで活躍、Gavin Luxも来期は今期以上の活躍が期待できます。トレードで獲得したEdmanは内外野を柔軟に行き来できる存在なので、25シーズンに内野でのBettsの必要性はかつてほど高くないです。
外野の残り2つの枠はJames Outman、Andy Pages、Edman、そしてベテランUTのChris Taylorで分け合うと考えられます。しかし、Taylorの契約は残り1シーズン、彼の昨今の成績を鑑みるとDFAやトレードでの放出も選択肢の一つでしょう。
最も、OutmanもPagesも明確にポジションを確立しているわけではないので、何らかの形で外野手を加える可能性はあります。FA市場での短期的なオプションとしてはMax Kepler、Michael Conforto、Mark Canhaなどがあります。トレードではWilyer AbreuやBrendan Donovan、Lars NootbaarやJesus Sanchezが候補でしょうか。
また、Edmanを外野手として起用するなら彼とEdmanは固定、OutmanとPagesが3番手となります。その場合、Willy Adamesを獲得しショートとして起用することに一定の妥当性を感じます。Adamesに関してはDodgersが過去に何度もトレードを画策していました。24シーズンは武器であった守備の数字を大きく落としましたがそれでも彼の価値は高いままです。
しかし、あえて懐古厨的なことを言うとすれば、FA市場でプレミアムなタレントを獲得することは、フリードマンが率いるDodgersフロントとしては「らしくない」と思います。Dodgersの総年俸は長らく常に高いものでしたが、大谷とFreemanとFA契約するまで、FA市場で4年以上の中長期高額契約を結んだことはありません。Adamesには少なくとも5年、6年目を要求されることもありえます。そういった契約を避けてきたフロントが今回Adames獲得にどれだけ積極的かは読めないですがリストに載っていることは間違いないでしょう。
総括
すでにDodgersのロースターはプレミアムな選手で溢れています。それでも、Sotoや大物投手を追いかけない理由はありません。現状のロースターに明確な「穴」は無いように思われます。それでも、現有戦力でのワールドシリーズ制覇は難しいのが現実です。
ですので、その高い資金力と分厚い選手層を活かしてスター級の選手を追い求め、ワールドチャンピオンのタイトルを防衛してほしいとです。
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