まいにちもちもち(散歩)
少女終末旅行のふたりが着ているジャケットに似ている、という理由で買ったコートをおろした。
休講の間、三時間ほど空いた時間があったので、街へ散歩に行くことにした。このコートを着ていると街のオブジェが前の時代の遺物に見えてくる。ちなみに街は栄えまくっている。
公園で黒猫に出会った。なんか顔がしょぼしょぼしていたので撫でた(写真は撮り忘れた)。動物はたまにこうやって意思を感じさせる表情をするのがずるいと思う。人間にも難しいのに。
公園の紅葉はほぼ終わっていて、時々風で枯れ葉が舞った。桜よりもインパクトがあって良いかもしれない。けど顔面に直撃するのはやめてほしいなと思った。ベンチに座っている時も、さあ食べるぞと思って開封したおにぎりに葉っぱが付きそうになって、既の所で避けた。
ベンチに座っていると、遠くで草原に寝転がっている人が見えて、いいなと思った。公園で横になる人は意外と多い。特に都市部に。逆に田舎にはあまり無い文化のような気がする。でもこれだけ広いのだし、のびのび使ってくれたほうが公園も嬉しいと思う。
自分のような大学ぼっちは、大学にいるよりも街に繰り出した方が良いのかもしれない。道を譲ったり譲られたり会釈したり気を遣ったりするので、大学の空き教室ででくさくさしているよりかは精神に良い。歩いていると、自分がぼうっとしている間も世界は爆速で進んでいて、爆速に進んでいる中に何万人の人生があって、自分はその一部に過ぎないのだと感じる。
特別じゃないことに最近やっと焦らなくなった。
生きる。