本づくりの仕事がしたくて製本の学校に通い始めました⑥和綴じ写真集、函入り
こんにちは、UMA(ゆま)です。この春から製本学校に通っています。目標は来年、ひとり出版社を立ち上げることです!
……というような書き出しで去年(2023年)から始めた、自分にエールを送るシリーズ(?)6回目です。製本修行、年末年始もひとがんばりしました!
今回は、昨年暮れに埼玉県の小川町に行った時、古い細川紙が手に入ったので、それを使って和綴じの写真集「しんと悲しみが満ちる地へ / In Silence and In Sorrow」を作りました。(ちなみにこのシリーズは、震災後の福島を撮ったシリーズの3作目で、最も展示回数が多いものです。写真に興味を持っていただける方は、以下のページに福島のシリーズが新しいものから並んでいるので、ずずっと下へお願いします。)
さて、製本の話に戻りますが、「古い和紙が手に入った」ことにワクワクしたのは理由があります。和紙は古いほどいいとよく言われますが、私自身、乳剤を塗って暗室で手焼きしたり、本にするためにインクジェットでプリントしたりするのに和紙を使っていて、その意味はなんとなくわかる気がしているのです。
漉きたての紙はまだどこか「木」っぽいというか、「自分は紙じゃないぞ」みたいな抵抗があって、脂っぽさにに弾かれる感じがします。古くなってくると、「枯れる」と言われるとおり、紙たることを諦めたようで、穏やかに受け入れてもらえます。
ホームページには掲載していないのですが、このシリーズには自作の物語を日英でつけており、今回は約63 cm x 93 cmの紙が2枚手に入ったので、日本語版と英語版を1冊ずつ作りました。1枚で写真点数が14点の写真集を1冊作るとすると、10cm x 11cmくらいの小さい本になります。2枚の兄妹葉っぱの旅の物語なので、表紙には葉っぱの押し葉を貼りました。
今回は函も作りました。内側にサイズが一回り違う函が2つ貼り付けられていて、閉じるとぴったり合わさるものです。表には掛け軸などに使う裂地、内側には柿渋染の手漉き和紙を貼りました。
ボール紙の厚み分(2mm)だけ大きさが異なる函を作るのは、なかなか微妙なのですが、うまくできると開閉する時に「フォコッ」みたいな、聞いているだけでほっこりするような音がします。
途中、多少のやり直しなどもしましたが、最終的にはなかなかかわいいものができました!
今回もおつきあいいただき、ありがとうございました。今年(2024年)は冒頭に掲げた宣言通り、ひとり出版社設立を実現したいと思っています。また経過報告など聞いていただければ励みになります。どうぞよろしくお願いいたします!
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