「戦場のピアニスト」
BSで放送してたのを観た。「第二次世界大戦」「ユダヤ人」とテーマ的に興味はあったのだが何故か今まで観る機会がなかった。主人公はユダヤ系ポーランド人のピアニストで、実話がベースになっているらしい。カンヌ映画祭では最高賞であるパルムドールを受賞。日本では2003年に公開されている。
タイトルから勝手に想定してたのだが、もっと音楽的な内容、ピアニストとしての見せ場が多いのかなと思っていたが、がっつり戦争映画だった。迫害され逃げ続けるユダヤ人にフォーカスした物語。しかもわりと遠慮なく残酷な演出も盛り込まれていた気がする。もちろん実際は、もっと容赦なくもっと理不尽な差別や殺害はあったのだろう。当たり前のように暴力を振るうドイツ人、為すすべもなくただ黙って受け入れるユダヤ人という力関係を想像すると心が痛い。
あと、この映画を観ていたら、ウイグルやチベットを思い出してしまった。自由の剥奪や抑制は、多くの才能と多くの可能性を殺すだけ。半世紀以上前のホロコーストという悪しき歴史上の出来事と似たようなことが、今も現在進行形でも行われてることに、恐怖以上に呆れてしまう部分がある。否、僕が知らないだけで、中東やアフリカでも同じような弾圧は、ひっそりと、しかし圧倒的に行われているのかもしれない。今の世の中も、想像以上に暴力が溢れているように思う。