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【週末回顧録】このまま負けてなるものか!(6月25日・26日)

お世話になっております。UMAJIN編集部員の平石です。
「未来の馬券の的中は振り返りから!」ということで、先週末の競馬を振り返っていくこの企画。
「鉄は熱いうちに打て」とも言いますしね。記憶が鮮明なうちに、未来の自分のためしっかり復習しておきましょう。

まずはGIから。

<宝塚記念>

勝ち馬:タイトルホルダー 勝ちタイム2分9秒2(良)

 大方の予想どおり、パンサラッサがハナ、タイトルホルダーが2番手という形に。予想外だったのはディープボンドがテンから出していって3番手につけた点でしょうか。
 阪神芝2200mは外回り4角の出口からスタートして、直線をまるまる使って1角へ侵入するコース設定。普通ならテンに出していけない大トビの馬でも直線をフルに使ってスピードに乗れば、ある程度の位置で1角に進入することが可能です。和田竜騎手の意図を考えるに、序盤で後続との差をつけてしまいたかったのではなかろうかと。後ろの有力馬を意識した乗り方だったのかなぁと推察する次第です。やっぱりエフフォーリアが気になったのでしょうか? また、タイトルホルダーはパンサラッサのハイペース逃げで潰れるという読みがあったのかもしれません。
 逃げるパンサラッサはいつもの通りハイペースを刻みます。前半3F33秒9-前半5F57秒6というタイムは、前週行われたマイルのOP・米子Sより速いタイム。しかしながらこれがパンサラッサにとってのマイペースなのでもう驚きません。玉砕覚悟の逃げではなく「これでも十分にやれる」と吉田豊騎手は考えていたはずです。
 誤算があったとすれば2番手のタイトルホルダーがとんでもないバケモノだったという点だけでしょう。
 パンサラッサが逃げ切った福島記念と宝塚記念の後半5Fを比較します。

<福島記念>
11秒9-12秒4-12秒4-12秒1-13秒1(61秒9)
<宝塚記念>
11秒9-11秒8-11秒9-12秒0-12秒4(60秒0)

 ハイペース逃げが持ち味のパンサラッサですが、後半もそのハイペースで行けるはずはなく、後半はある程度緩めたかったハズです。福島記念では残り800m地点から12秒4まで落とし息を入れたことにより、残り400m-200m地点で再加速することができたのですが、今回は緩めたかった地点でタイトルホルダーが持ったまま接近してくる状況になってしまいました。
 末脚勝負になればパンサラッサは分が悪いので、残された形は突っ張り先行。それが11秒台連発の後半ラップに現れているように思います。
 ただ、あの競馬かつ本質的に長いであろう2200mにもかかわらず、勝ち馬から1秒1差の8着というのは恐れ入ります。このタイム、例年の宝塚記念なら勝ってますからね。ちなみにリスグラシューは2分10秒8、オルフェーヴルは2分10秒9でした。天皇賞・秋やマイルCS、香港マイルorカップあたりをこの馬がサクッと持っていったとしても、全く不思議ではありません。
「ローエングリンをスケールアップした馬」というイメージがようやく自分の中で固まったことが今回の宝塚記念における収穫です。

 勝ったタイトルホルダーは文句なしの競馬。超がつくハイペースを2番手で受け、逃げ馬を自ら動いて潰しにいき、自分は最後まで粘り切ったわけですからね。まさにレースを支配して力でねじ伏せたという内容でした。超ハイレベルでスピードとスタミナが調和した名馬です。ちなみに、昨秋以降のパンサラッサが逃げたレースで2番手の馬が馬券に絡んだのは今回が初。その点もタイトルホルダーの強さを示すデータかと思います。
 秋は凱旋門賞という話も出ているようです。これまでに凱旋門賞に挑戦した日本調教馬は差し追い込み馬が中心でした。生粋の逃げ先行馬がどのような走りを見せてくれるのか注目したいと思います。

 2着のヒシイグアスは距離ロスが生じないよう内に張り付いていたレーン騎手のファインプレー。4角でも一瞬前が詰まりそうになりながら、モーゼのごとく進路が開けました。あそこまで行けば勝っても不思議ではありませんでしたが、勝ち馬が強過ぎた……。ヘイロークロスの軽快さがある馬なので内回りは上手ですね。
 3着のデアリングタクトはハイペースを味方につけた組。ただ道中で外々を回ってロスの大きい内容だったことを考えると、相当に強いレースをしています。重度の繋靭帯炎からよくぞここまで復活したと素直に称賛。それに現状マイルは短いですね。エリザベス女王杯でお会いしたい感じです。
 4着ディープボンドは上でも触れたようにまさかの先行策。スタミナ勝負に持ち込んでやろうという魂胆だったと思いますが、このハイペース、しかも内有利の馬場で外々を回すのはやはりロスが大きかったようです。やっぱりカコイーシーズやアリダーのちょっと足りない感じが強く出てるなぁ……。見ている分には愛らしいキャラですが陣営は歯がゆいでしょうね。次も頑張って。

 エフフォーリアの横山武騎手からは「ペースが速過ぎて脚を溜めるもクソもなかった」とのコメントが。内回り、ハイラップ戦で前半から追走力が求められると脚を溜めることができない→結果、ラストのひと伸びを欠くという、大阪杯と同じ負け方でした。
 秋は天皇賞・秋、ジャパンCと舞台が東京に替わるのはどう考えてもプラス材料。ここで見限る必要はないと思います。
 ただパンサラッサが作るペースと致命的に相性が悪そうなのは少々気がかり。天皇賞・秋で2頭がかち合った場合にどう判断するかが夏の宿題です。

【次走以降マークしておきたい馬】
パンサラッサ
1800-2000mなら当然要チェック。
次はどこを使うんでしょうね? 毎日王冠なら全ツッパも視野。
でも矢作先生のことだし、コックスプレート→香港とかもありそう。

エフフォーリア
東京で中盤緩むレースになれば。ジャパンCでどうでしょう。

<その他のレースで気になった馬>

土曜函館6R 9着アクロビンジャー
 ゲート内で立ち上がった時点で鞍上の意識は無理をさせない方に傾いたように見えました。のっそりとゲートを出た後も出たなりの位置。そのうえスローペース。4角12番手ではノーチャンスでした。偶数番替わりで。

土曜函館9R 7着ヒドゥンキング
 直線入り口でデルマアシュラに寄られて進路が狭くなるシーンあり。それでも最後は脚を使って勝ち馬と0秒5差まで追い込んだところを見ると、このクラスでも展開が向けばやれそうです。次走はヒモで拾いたいイメージ。

土曜東京7R 6着リンクスルーファス
 土曜の東京ダートはとにかくイン前有利の馬場。最後方追走のリンクスルーファスがどうにかできる状況ではありませんでした。
 福島や新潟はあまり向いていなさそうなので、秋の東京開催でお会いしたいところです。

土曜東京9R 4着フォーヴィスム、8着グアドループ
 外を追走して直線も外を回した組。この2頭も秋の東京開催かなぁ……。

土曜東京10R 11着バクシン、15着ラナチャンス
 バクシンは3着だった2月のレースがそうだったように外を回した方がパフォーマンスを上げるタイプなので、気性と馬場が噛み合わず。
 ラナチャンスは1600mが長かった印象。短縮新潟で狙ってみたい感あり。

土曜阪神5R 7着チャーチモード
 イン前有利の芝で外を追走では少々しんどかったですね。また1200mのレースで使うスターティングゲートの跡に馬が驚いたのか、バタついてバランスを崩すシーンもありました。いかにも新馬らしい走りだったので、実戦に慣れれば。

土曜阪神12R 1着ヴァレーデラルナ
 勝ち切れなかった馬が6馬身差圧勝。勝ちタイムも前週の2勝クラスと同じなので昇級即通用とみて大丈夫でしょう。
 ニホンピロハーバーさんが中京以外で走れるとは聞いてないよ……。

日曜函館4R 1着マカンマカン
 初出走でしたが既走馬相手に完勝。勝負どころで外を回して勝ち切った点も評価できます。上のクラスでも面白そうな存在。
 マカンマカンがそうだったように、函館ウッドでしっかり動けている馬は今後も積極的に狙っていきたい所存です。
 個人的な基準は、ある程度馬場の外めを回して5F67秒台-1F12秒台を記録すること。もちろん5Fタイムが速ければラスト1Fは13秒台でOKといった感じで多少の上げ下げはありますが。

日曜函館8R 3着ロードヴァレンチ、6着リアルシング
 ロードヴァレンチはどうしていつもハイペースに巻き込まれるのか……。今回も息を入れたいタイミングでフェズカズマが動いてきたため、ペースの緩むポイントがありませんでした。
 もっと悲しいのがリアルシング。4角でワンテンポ待ってバルムンクの外を回せば良かったのに慌ててインに突っ込んだ結果、失速してきたロードヴァレンチ、フェズカズマに前を塞がれゲームセット。ラスト100mくらい追っていません。
 リアルシングは池添兼厩舎なので怒りの函館連闘がありそう。もちろん次走は買います。

日曜東京12R 15着コンクエスト
 直線で前が狭くなって以降は無理させていませんでしたね。そして現状は外枠向きなのかもしれません……。反省。

日曜阪神7R 8着ラスマドレス
 上位人気の一角でしたが出遅れてしまい厳しい競馬に。キレる脚はなさそうなので、小倉の中距離あたりでもう一度見てみたいところです。こちらも外をノビノビ走らせたいタイプかも。

日曜阪神9R 4着アルママ
 ルメール騎手×ビッグレッドファームという超レアな取り合わせとなったこの馬。関西遠征で4着なら上々ですし、ルメール騎手に依頼したところを見ても現状のコンディションは良いのだと思います。新潟に戻ればすぐにでも出番がありそう。

日曜阪神12R 7着クリノイコライザー
 好発から無理に押さえて揉まれて……という中途半端な競馬になってしまいました。押さえずに行かせていれば、3角入り口で前に入られて立ち上がるシーンもなかったんじゃなかろうかと。馬のデキは良かっただけにかなりもったいない競馬でしたね。
 出てくる舞台にもよりますが次走もチェックしておきたい1頭です。

レースリプレイをチェックしてまず気になったのはこの辺りの馬。
次走以降でしっかり狙っていきたいと思います。

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