亀瓶椎
シャララランて滑らせて開く戸の前から水板にうつる景色とあわさり自分の世界が広がるじっと中を覗き込むと水面だけでは思い寄らない深さへのそら恐ろしさが混じり混んできたり。
限られた瓶の水だと言うのに世界はひろがる。
ただ水しか、入っていなくともそこに映し出される世界は人それぞれなんだろうか❓
たいはんが、老けゆく自我を感じるのか?手をいれるとさぞや冷たくて気持ちいいと感じられるのでは❓
と言う期待を巡らせ手をつけてから体験した事実に正気に帰るだけなのだろうか
そんな事を考えながら諭吉はまだ開かぬ戸の前で連れ合いの支度が出来上がるのを待っていた。
こりゃ 今日は長編が1本描き上がりそうだ
時期に雨が降り出し細君がこう言う
今日は足元がお悪いですしお出かけはやめて茶の間から庭でも見ておきましょうよ
でたでた 彼女の秋の空諭吉はいつもこのワガママに振り回されて一本が描き上がるのである。