いつだって木曽が心の中に~旅行記
長野県の開田高原にいます。木曽音楽祭の帰りです。
バスに乗って開田高原まできました。
今日は雲がかかっていて、御嶽山をのぞむことはできませんでしたが、午前中は晴れ間が広がっていました。
そばの花畑です。
お土産のとうもろこし(開田高原はとうもろこしの名産地)と、デザインが可愛かったのでリキッドコーヒーを買いました。今日はマルシェのようなイベントがあり、出店がでていました。音楽に合わせてゆらゆら揺れているおじさんが可愛かったので、そのおじさんから、とうもろこしを買いました。
木曽馬の里で、木曽馬と触れあいました。
昨日の夜、音楽祭を見たあと、一人でホテルでずっと泣いていました。自分の気持ちも、人生も、仕事についての決意もグラグラで、どうしていいのかわかりませんでした。(音楽祭はとても素敵だったので、別の記事でちゃんと書きます)。
実は今日から連休期間で、しばらくお仕事はお休みです。泊まるつもりはありませんでしたが、1泊することにしました。奇跡的に直前に宿がとれたので。
開田高原に来るのは、多分6年ぶりです。夫とお付き合いをしている時に、かなり遠目のドライブできました。木曽音楽祭に来たのは、実に10年ぶりです。
私は、とにかく何も考えたくなかったので、木曽馬の里へ行って、曳き馬(インストラクターさんが曳いてくれる馬に乗る)に乗ることにしました。
馬に乗るのは初めてで、乗ってみたら思っていたより高いこと(私は高所恐怖症)、背筋を伸ばして前を見ると怖くないこと、握る手に力を入れないことをインストラクターさんに教えてもらいましたが、自分の想像以上に揺れた心地がしました。
今の仕事を続けることを、夫からは明確に反対されています。
「帰ってきてからぐったりしていること」「御飯も作れないくらい余裕がない状態が続いていること(しばらく夫が作り続けている)」「笑顔が減って、顔が暗いこと」そして何より「仕事であなたの替わりの人は探したらいるだろうけど、自分にとっての奥さんはあなたしかいない。だから毎日つらそうなのを見るのがつらい」と言われています。
私としては「この前上司に相談できたので行けるとこまで頑張ろう」というつもりでした。
でも夫から見える私は、「このまま続けると絶対に心身を壊す。ちょうど上半期も終わるし、区切りもいいから職場のためにも、なにより自分のためにも早めに辞めたほうがいい」と。俺は、明確に反対だ。頼むから療養してほしい、と。
「この子の名前は、ミライちゃんっていう女の子のお馬さんなんですよ。」
馬上で、ひやぁ~とか、うへぇとか、パンプスが抜けそうになって変なビビリ声を出す私にインストラクターさんがそう教えてくれました。ごめんミライちゃん、ちょっと大きくて勝ち気に見えたから、言われるまで男の子だと思ってたよ。
ミライちゃんは、私を乗せてみてどうだった?こいつ悩んでるな、ちょっと大きめに揺らしてやろうか、とか思った?下り坂ちょっと急ぎ足だったから、ミライちゃんに乗ってる私はちょっと怖かったもんね。いや、もしかしたら元気付けてくれていたのかな。うーん、でもやっぱりそれは無いかな。わかんないけど。でも、ミライちゃんに乗っていた、ほんの5分くらいの間、私は自分の未来について完全に忘れていたからね。本当はどこかで心身が狂うのが怖いこと、仕事がつらいこと、やめたほうがいいのかどうかまだ決められないこと、もしも、やめたあとのこと。全部、忘れてた。
バスに乗る直前まで、開田高原の広場にいたけど、最後の最後まで御嶽山は雲が厚くて見えないのは残念だったけど、雨は降らなくて涼しくて気持ち良かったな。
開田高原からバスで戻ってきて、駅周辺をぶらぶら。
「茶房松島」さんのガレット、実は昨日から狙っていたから、開いていて良かった。そしたら思いがけず大雨が降ってきて、その間に長居して、このノートが書けてよかった。
木曽は美しい街です。私は大好きです。
いまはもう、帰りの特急しなのに乗っています。
特急のくせに、なんかちょっとレトロで、車内販売もなく、アナウンスもさっぱりしたものです。音楽とかないし。窓からは『木曽路はすべて山の中である』と島崎藤村が書いた通り、山と山の合間をかけぬけて走っていく様子が見れます。雨が降ってきました。少し重たい雨雲が、山々にかかって、雲海のようになっています。
私はこの、山と雲が共存している様を電車から眺めるのが大好きです。「木曽だ!」と心底感じます。指定して窓側に座れば、寝覚めの床や、美しい川も見れると思います。
ああ、もうすぐ名古屋についてしまう。大好きな木曽、大好きな山並が終わってしまうことが私は寂しくて、だんだんと街が現れてくるのがつらい。
終わってほしくない終わってほしくない。
ずっと山の合間を走り続けてほしい。でも、もう名古屋は目の前。降りて、新幹線に乗らないと。
大好きな木曽。次に行くとき、その時私は何者なのかはわからないけど、変わらず木曽は迎えてくれるよね。また行くよ。絶対行くよ。