お店の未来。 常吉村営百貨店の原点
「常吉村営百貨店」
京都府京丹後市大宮町常吉(つねよし)地区で、地域住民が出資し、住民が自主運営してきた集落で唯一の商店。なんでもあるから百貨店をコンセプトに、暮らしになくてはならない食品や日用品を扱い、長年、地域の暮らしを支えてきた地域のシンボル的存在でした。
常吉村営百貨店は、買い物難民、お年寄りの暮らしを守るためのソーシャル・ビジネスとしての役割がクローズアップされがちですが、ただ、”困っている人を助ける”ためのお店ではなく、”子供たち未来のために残したい、残さないといけない”という思いが、その原点にあります。
自分たちの村にお菓子を買うお店が一軒もないと恥ずかしくてお友達も呼べない、自分たちの村に自慢できる場所があるといいな、そんな子供たちの願いを受けて大人が立ち上がったのです。
平姓8年に地域の小学生に自分たちのまちがどのようなまちであって欲しいか、という夢を絵に描いてもらったものがあります。その「いなランド計画」の中に「田舎ショップ お店が欲しい」と書いてありました。
みんなに自慢できる、自分の村だけの唯一無二のお店、小さな村の百貨店。それが、お店の未来の一つの答えでした。
全国どこでも同じ商品が並び、安くて、手軽で、効率のよいだけのお店は面白くない。それは私たち消費者が求めたものであり、我々の選択した結果かもしれません。このまま進めば、地域固有の商店はいずれ淘汰され、全国どこへ行っても便利ではあっても、同じような店しか残らない時代が来るかもしれません。
それは果たして子供たちの未来にとって正しい選択なのでしょうか。
子どもたちが大人になっても思い出してもらえる、自分たちの地域の自慢のお店。コンビニみたいに便利でなんでもあるお店じゃないかもしれないけれど、都会のお店みたいにおしゃれなお店じゃないかもしれないけれど、いつでも戻って来れるふるさとの居場所。
そんなお店をなくさないように。子どもたちのために。
京都北部の山あいの小さな集落にただ1軒の小さな百貨店から田舎の日常を書いています。子供達に豊かな未来を残すためにサポートよろしくお願いします!