ミニマルな保険証ケースができるまで②そしてバトル勃発!?機能重視VS携帯性
こんにちは、長澤です。
前回は、保険証ケースの企画が始まった背景をお話ししました。
エンゾー店長が作りたい保険証ケースについて、デザイン企画の佐藤さんと打ち合わせしていると、佐藤さんも、ちょうど保険証とお薬手帳が入るケースが欲しいと思っていたそう。
しかし、2人がイメージしているケースにはどうやら少し違いがあったようです。それぞれが重視するポイントとは…?
機能重視のエンゾー店長
エンゾー店長が作りたいケースは、お年寄りとその家族に使いやすいように設計されていることが大前提です。解決したい課題は、「なくしてしまうこと」でした。
認知症のお年寄りは、ケース自体を落としてしまったり、どこにしまい込んだか分からなくなってしまうことがよくあります。そんな時、本人だけでなくサポートする家族にも見つけやすいように、ある程度目立つデザインである方が助かります。
また、歳を取ると通う病院が多様になるため、いきおい診察券の枚数が増えますが、窓口で提示する際、自分で取り出すと元に戻すのを忘れてしまうことがしばしばあって、カードの紛失につながっていました。
そこで、増えたカードを一つのポケットに重ねて入れたりしなくていいように、十分な数のポケットを確保し、わざわざ取り出す必要がないように一覧性を高くしたいと思い、1ページにつき縦に3枚並べられるカード入れがあればいいのではないかと考えました。そうすると手帳としてのサイズは少し大きくなってしまいますが、背に腹は変えられません。
また、次回の予約票や処方箋などを、病院から薬局や家に移動するまでの間、一時的に収納しておけるポケットもほしいと考えました。
このように、エンゾー店長が重視するのは、カード類を出し入れする機会を減らし一覧性を高めるための、機能の充実です。
携帯性重視のデザイン企画佐藤さん
佐藤さんには小学生のお子さんがいます。子どもの発熱などで、急に病院に連れて行かないといけないということもしばしば。そんな場合に備えて、ケースを常にバッグに入れておきたいそう。いつも持ち歩きやすいように、コンパクトで軽く、見た目もシュッとしたスタイリッシュなデザインにしたいそうです。
また、後期高齢者医療被保険者証と同様に、「子供医療証」も紙一枚に印刷されたものなので、これが提示しやすい透明ポケットがあると良いのですが、このポケットに診察券のインクが写らないようにしたいと思っています。
このように、いろいろ工夫は欲しいけど、佐藤さんが1番重視するのは、あまり使い方を限定しすぎないシンプルな構造です。
まずは機能充実のケースを作る!
高齢者向けの機能が充実したケースを作りたいエンゾー店長VSシンプルで持ち歩きやすく、使い方を限定しないケースを作りたい佐藤さん。
熱く語るお互いの話しを聞くうちに、どちらもそれぞれの層に需要があるように思えてきました。
そこで、最初からどちらかに焦点を置いた製品に決めてしまうのではなく、それぞれの案をもとに、実際に触って使える形に試作してから判断してみてはどうだろう?と佐藤さんは(こっそり)思ったそうです。
高齢者向けケースの方が、使いやすさの点で様々な工夫が必要なので、まずは、できるだけ機能を充実させた、高齢者にとっての使いやすさを想定したケースの試作を始めました。
次回、「保険証ケース開発記③試作開始!」お楽しみに!