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「バツイチはモテる」は都市伝説なのか?~それはモテではなくてもの珍しさ
「バツイチはモテる」は都市伝説なのか? で書いたことは、バツイチだからモテたという事例にはふさわしくないかもしれない。
どちらかというと、バツイチという存在に対する物珍しさというか、ゲテモノ食いというか、雨に濡れた公園の子犬を見捨てられないというか、声をかけてくれた人たちのそういう心情を何らか刺激した結果ではないかと私は思っている。
おそらく、「バツイチになったからヤケになって一回ぐらいヤらせてくれるかも」的な発想もあったのではないかと思う。
あと、「バツイチ女の味わい」的な。未亡人みたいなやつ。
普通の女性じゃなくて何か一点陰があるところに嗜好のポイントがある男性は結構多いのだと私はそのときに学んだ。
バツイチの女はぞんざいに扱ってもいい、みたいな発想の人ももしかしたらいたのかもしれない。しかしながら幸いにも私はそういうところまでは気づかなかった。
結婚話が破談になったときに、男遊びをしてうさを晴らしたという女友達がいる。
私はその話を聞いたとき心底うらやましかった。
その「うさを晴らす」ルートを持っていることも、そういうことでうさが晴れるという健全な心のありようも。
私はそのときひどく落ち込んでいたので、うかつに適当な男と関係を持ったりしたらそれに引きずられて自暴自棄になってしまうのではないかと恐れていたのだ。そういう恐れを持つくらいには、まだ自分のことを大切に思う気持ちが残っているのだと思うことはわずかな慰めにはなった。
その後再び男性と出会って結ばれたが、二人の子どもを授かった今となってはあの頃のことは遠い昔のことのように感じられる。時折ふっと心をよぎるがすぐにかき消されてしまう、遠いこだまのように。
あのときのオファーに乗っていたら、また違った人生が開けていたのだろうか。
でもその「あったかもしれない未来」に対して真剣に心を費やす気持ちにはなれないぐらいには、今の私はまあまあ満たされている。そして今の現在地よりも魅力的でない他の可能性について考えてみるのは、「今が不幸でなく幸せである」という確認作業にもなっていて、ときおり私はそうやって過去の自分より今の自分の方が幸せに近いところにいるのだという確認に使ったりする。