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雪がやむまで

冬眠の話し

 十年に一度の大寒波だそうで、築45年のこの家では、じっとしているだけで冷たい冷気が這い寄ってくる。窓の外は一晩で銀世界。これは、冬眠するしかない。

 再び布団に潜り込む。エアコンだけでは部屋はあまり温まらない。石油ストーブも点けた。電気代上がってるんだよなあ、と思って、エアコンは消した。布団の中でTwitterを触って一時間、なんだかお腹が空いてきた。

 凍える裸足で台所へ行き、ポットに入ったお湯をマグカップに注ぐ。これが我が家の白湯だ。

 米を炊くのはめんどくさいし、というか一時間も待てないし、食パンは切らしているので、赤いきつねのカップうどんを食べることにした。

 ポットから湯を注いで五分タイマーをかけたが、三分を超えたあたりで耐えきれなくなり、箸で麺をほぐした。まだ少し麺に芯が残っている。それがなんだかジャンクな気がして、悪くないと思った。

 カップと箸を流しに置いて、私は布団に駆け込む。と、その前にトイレに行った。一度布団に入るとトイレに行くのが億劫になる。

 布団に戻って、電気あんかを抱きしめる。子供のころから使っている黄色い毛布はとっくに色褪せている。

 もう少し眠ろう。雪がやむまで。

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