【禍話リライト】ぶら下げ怪談「カーテンの裏に」
今週は、いつもと日が違い金曜日(2024年8月30日)の11時からの放送。
内容は、先週の離島怪談会であった奇妙な出来事を振り返りつつ、6月末に刊行された『Occlut‐オカルト‐闇とつながるSNS3』(むくろ幽介著)の禍話からのものを含む全話紹介だった。
その中で、オカルトにあったカーテンにまつわる話からかぁなっきさんがふと思い出した、ぶら下げ怪談の1話を。
【カーテンの裏に】
かぁなっきさんが中学の時に同級生のAさんに聞いた話。
Aさんが中学2年の時のこと、放課後に目が覚めると、教室に自分一人だった。下校の校内アナウンスの声で目が覚めたのだ。6限目で寝てしまい、その後、ガタイの大きなAさんに誰も触れずに帰ったと見える。
部屋は真っ暗だった。
「明かりも消えてんじゃねぇか。2年●組はみんな薄情だな」
片づけて教室を出ようとしたときに気が付いた。
閉められたカーテンの向こうに誰かいる。
外を向いて立っているようだ。カーテンの下から、学生服の足が見えている。
『俺以外に、誰か残っているんだー』
てっきり級友が残っていると思ったAさんは、
「お前も残っているんなら、明かりくらいつけてくれよ」
と声をかけた。
すると、その男子学生は、カーテンの向こうでこちらに体を向けたのだという。ただ、こっちを向いただけで、カーテンの向こうからこちらにこないので、「何か引っかかってんのか」と近づいて、カーテンを開けると誰もいなかった。
一瞬、自身がまだ寝ぼけているのかと思ったのだが、何度もカーテンの内と外を見返すうちに怖くなって、そのままカバンを引っ掴んで下校した。
下駄箱に向かいながら、どんどん怖くなってきた。
『今まで起き抜けに寝ぼけたことなんてないしな。しまった。カーテン開けっ放しにしてきちゃったよ』
そんなことを思いながら、校舎の外に出て先ほどまで自分がいた教室を見上げる。
すると、開けっ放しになっているカーテンが、ものすごくゆっくりとしまった。明らかに、先生や用務員の人が閉める速度ではなかったという。
〈了〉
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出典
禍話フロムビヨンド 第8夜(2024年8月30日配信)
41:35〜
※FEAR飯による著作権フリー&無料配信の怖い話ツイキャス「禍話」にて上記日時に配信されたものを、リライトしたものです。
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