亡国の亡霊...

ホーチミンの気温は30度台で、10度を切り始めた日本から飛ぶと暑いが、
日陰はそれほどでもなく、また午前中や夕方もそうでもないので昼の一番暑い時間帯に博物館に入って2時間くらいゆっくり見るのが吉であった。

independence palaceは私、全然知らなかったのだけれども、
1975/4/8、ベトナム戦争のサイゴン陥落で戦車が突入した有名な場所だった。
んだけれども、
何だこここは・・・
印象が、台湾の中山楼や士林官邸すぎる!!!いや、中華民国は滅んでないけど!この資本主義王国よ!!
わからないけど、こんにちのベトナム人にとっての南ベトナム共和国を見る目は、こんにちの台湾人の蒋王朝を見る目に何となく、近い気がする・・
(中国人の見る、南京の中華民国総統府とは明らかに違う)
台湾は民主化後、一時期は中正紀念堂すらも名前変えられたほど、今ではコインも蒋介石コインから孫文コインになり、台湾の出入国スタンプからもここ数年で中華民国の五権分立を表す梅マークが消えた台湾の、無意識に視界に入る公共空間から古き悪しき時代の独裁者の銅像を撤去し、米国と癒着して得られた彼らの栄華を有料の博物館に閉じ込めて生暖かく見る目・・・。メンテに費用を出すべきと思っている国民がいなくなりつつある、老朽化と湿度と硫黄で半分廃墟化しているあの手の施しようがない過去の理想や遺産・・。ゴ・ディン・ヌーと宋美齢、キャラが被らないか?!
とはいえ、ホーチミンのインディペンデントパレスはすごく綺麗にメンテはされており、(雨季はどんよりしてるかもだけれども) テト前だったからかアオザイを着て映え写真を撮る地元の若者でいっぱいで楽しい空間ではあった。

うーん。ベトナムはもうすぐ統一50年なのねーーー!
国家とは!資本家とは!!
南ベトナムは反共のための、アメリカの傀儡政権でもあり、それを倒したのが今の社会主義のベトナムの政権で。台湾はベトナム戦争に派兵してくれとアメリカから執拗に要請されていたけど、蒋介石は大陸反攻のための核兵器を供与してくれるなら、と交渉は決裂していたそうで。

展示のされ方が、資本主義のきらびやかな感じを揶揄してるようで面白かったなー。調度品それ自体は本当に素敵なんですけどね!!
あと、いざとなった時に脱出する用の階段とか、外国からのゲストを迎える迎賓室もあるのに地下には無線機だらけの国防部署的な防空司令室的な所もあって、要塞なのか宮殿なのか・・って感じだったのが、生々しくて面白かった。きっと他の国も首相官邸の地下にももしかしたらシェルターとかあるのかもね・・

資本主義が負けている現実を突きつけられるのも、日本人としては、おおお・・と来るものがある。歴史のifを色々考えてしまう。
年末にはキッシンジャーも亡くなったし。

街に党のポスターが貼ってあるのだけれど、こんなソ連みたいなポスターが貼ってある国、中国でももうこんなのないし、ホー・チ・ミン氏の象徴化はなんか孫文みたいだし、(毛沢東や習近平ではない)、やー、面白いなー。
ベトナム、というか、メコンデルタって人口多かったんだろうなー。王朝時代から。そうじゃなきゃ社会主義にならないよね。

もう一つのフランス風の館には1800年台後半〜のフランス統治時代のホーチミンの近代化と、華商からもたらされた中国革命の影響なども展示されていて興味深かった。
サイゴンて、昔から商業都市だったのね。
商人や資本家にとっては南ベトナムの方が商売し甲斐があったんだろうな、昔から。


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