中世のレザーポーチ作り ~その2~
前回からの続きです。
ベルトループとストラップ
本体がなんとなく出来上がったので、ベルトループを作ります。
フラップを閉じるためのストラップはベルトループから繋がった一本の革で出来ています。
このパーツを切り出します。
(やはり断面のヘリは落として綺麗に磨きます)
位置を決めて本体とストラップを縫い合わせます。
後ろ胴に縫い付けてからループ状に縫い合わせます。
ストラップ止め
本体前面につけるストラップ止めが必要です。
ここにストラップを差し込んでフラップを閉じる構造です。
フラップの厚みとストラップの厚み、そして装飾金具の厚みを計算しないと取り付けてもストラップが入らないので、ちゃんと計測します。
(金具のストラップ止め)
おそらく本来はこのように金属で出来ているパーツですが、今回は革での指定があったので革で作ります。
発掘されたものは大体朽ちているので正しくはわかりませんが、革で作られていても何の不思議もありません。
革で作るとそこがアクセントみたいになってて個人的に結構好きです。
装飾金具の取り付け
ここまで来たら「革の組み立て」は完成です!
しかし、革袋として完成したに過ぎず、ここからが作品として大事なパートです。
鋳物の真鍮金具を取り付けます。
金具の取り付けはズレたり斜めに付いたりしやすいので、特に慎重にやります。
(ここで失敗すると全てがおしまいなのでいつも緊張します)
全ての金具を取り付けました。
ほぼ完成です!
やったー!
(ポーチとしては完成ですが、作品としてはまだまだ途中です)
仕上げという名の果てしない地味作業
と喜ぶのはまだまだ早くて、まだ前胴と後ろ胴の縫い合わせた部分の断面が処理されていません。
二枚の重なった革の断面が、一枚の断面に見える様にヤスリで研磨して、水や仕上剤を塗布して磨くのをひたすら繰り返します。
(重なった革の断面やヘリをヤスリで研磨して段差を無くしていきます)
縫目を潰して溝の中へ押し込みます。
あらかじめ溝を切ってあるので糸が本体より埋まってますが、念のためさらに押し込みます。
ルレットという道具を使うと綺麗に押し込めますが、脱線すると革の表面に穴が開くので慎重に。
磨きの浅い場所や、磨き残し再び磨いて綺麗にします。
磨き残しゼロへ!
ミンクオイルを全体に塗布して乾拭きしたらようやく完成!!
さっきの写真と何が違うんじゃい、という声が聞こえてきそうですが、パッと見は同じです。
手に取ると、全く違います。
それが仕上げというものです。
革の断面の処理をどこまでやるかや、仕上げにどこまで時間を費やすかは、作り手のさじ加減次第です。
しかし、この作業が作品の良し悪しを決定付けます。
作品の価値は、材料費、テクニック、ブランド、そして仕上げのきめ細かさ。
ということでしょう。
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