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私に妖精の才能がない話

今朝、ヨーヨーが、起き抜け一番に悲しそうな声で言ってきた。

「ママ、妖精が来なかった」と。・・・ん、妖精?

「僕、ちゃんと枕元に置いていたのに・・・。」

ああ、そうだ。ここしばらくグラグラしていた、歯が昨日の朝に抜けて、誇らしげにそれを見せられたんだった。

その時、彼は「今日は枕元に置いて寝るよ、イギリスでは妖精がコインに変えてくれるらしいから」と言っていて、適当なわたしは「いいねえ、試したら」なんて生返事したくせに、昨夜は珍しく外出の予定があって、寝かせつけをパパが担当したためにすっかりコインに置き換える仕事を失念していたというわけ。

妖精が来なかったのは子供の夢に無頓着な母ちゃんのせいだわ。

そもそも、ヨーヨーは日本にいる時に歯の妖精(Tooth Faily)」のコンセプトをなにかの絵本で知っていたんだけど、「それは外国の話だから日本にはいない」と、私がぶったぎっていたのだ。

しかしそう言ってしまったがために、ロンドンに引っ越してきてから、彼の中で「ここは外国だから来るはず」になってしまった。しかも、こちらでできた仲良しの友達から「歯が抜けたら、Tooth Failyがコインに変えてくれた!」という体験談を聞いて、今度こそ!と楽しみにしていたのだ。

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40代半ばで夫婦はじめての海外暮らし。旦那は一年の私費留学を終え、現地で仕事開始。7歳と4歳で渡英した子供二人はバイリンガルになれるかな?表では書けないニッチな話や個人的な考えも盛り込みつつ、ワンコインで月に20本前後をお届けします。購読中はマガジン内の過去記事(200本以上)もすべて読み放題です。

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