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BPRなきDXの悲劇
年金事務所あての社会保険算定の変更届がオンラインでできるようになったというので、去年念のために作っておいた「gビズID」の出番がやっとキター!と喜び勇んでためしてみた。
みたんだけど、これ・・・これって・・・!
ブラウザで完結しない。アプリ入れねばならない。で、Windowsでしか使えない。その中でまたファイル作成と申請のプロセスがつながってない。クエリで情報をとれるとこあるじゃんと思ったら、その後また同じ情報を手入力しなきゃいけない。途中で閉じたら頑張って調べて入れたそこまでの情報がまるっと消失。任意項目と必須入力項目が混在。提出確認のメールもなし。
ひとことでいうと、むずい。
私が社会人になったころ(20年前)を彷彿とさせるインターフェースで、タイムスリップしたかのような気分を味わった。ちっとも懐かしくはなかったが。
それでようやくデータ入力を完了したが、確認メールもないため果たして本当に提出できたのかどうかいまいち不安になって、年金事務所に問いあわせた。そこで電話で出た担当者がよくわからないというのはまだ仕方ない(だってシステムが超絶わかりにくいんですもの・・・)と思ったが、紹介された先のテクサポ窓口のおばちゃんの説明がまたやたら早口でいけていなかった。ナビダイヤルで20秒ごとに10円!だから、だらだらしてたら怒られるんだろうけど、質問ポイント掌握してから説明に入ってくれないとかえって時間が無駄だってば。
まあ、最終的に知りたいことは分かって問題解決したが、全部クリアするのに2時間以上かかった。五反田の年金事務所まで歩いて行って手書きで提出して帰ってくるほうが、早かった。
これでも私は、世の中平均からしたら、まだITの使い手なはずなんだ。事業も4期目で、届け出も初めてではない。だから、このシステムを使って申請をするのは、日ごろITに親しんでいない分野の事業主の方にとっては不可能に近いんじゃないかと思った。
これじゃ、サポートコストがやたらかかるだろうし、あきらめちゃう人のほうが多そうだし、オンライン利用、すすまないよなあ・・・。
DX(デジタルトランスフォーメーション)の本質はBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)なんですけど、これはそのコンセプトなしにとりあえず作っちゃった感じですね。
令和の時代に、昭和なものを。
行政のオンライン化・・・道のりはまだ遠い・・・。