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Greeting Father Christmas
English follows (just for the introduction part)
英国人は、クリスマスのあのお方のことを「ファザー・クリスマス」と呼ぶ。ケルト文化由来の妖精で、サンタクロースとは本来別の存在らしい。
赤い服のサンタクロース(由来:聖ニコラウス)は1940年代にコカ・コーラ社が世界中で流行らせたというのは有名な話だが、いまや人種と文化の坩堝であるメトロポリタン・ロンドンでも、その名を讃える数々のクリスマスソングとともに、アメリカから逆輸入されたイメージが主流な感じ。
しかし根っからの英国人は、やはり細々とした伝統行事とともに、古来の呼び名を大事にしているようである。
そんなファザー・クリスマスは、北極ではなくラップランドに住んでいる。
だから、クリスマスシーズンには、ロンドンから本物のラップランド(フィンランド)に、ファザー・クリスマスに会いにいくツアーもある。オーロラを見たり、犬橇に乗れたりとそれはそれはゴージャスな経験ができると聞く。日本人的にはだいぶ長く感じる7日間+のパッケージは当然高額だけど夏の間に完売する人気ぶり。
それには手が出ないけど、子供に忘れられないクリスマスの体験をさせてあげたいという私のような親に人気なのが、季節限定のテーマパーク「ラップランドUK」。先日、そこに7歳の娘を連れて行ってきた。
夏の王室行事「ロイヤル・アスコット」が開催される競馬場の近くの森の中。ロンドンから1時間程度で日帰りできる。事前にウェブサイトを見ても雰囲気が想像しにくかったが、行ってみたら大満足だったので、興味がある人向けに今回詳しめにレポートする。
ネタバはみたくない人向けに先に一つだけアドバイスすると、春に発売されるチケットは、日により£60−190/人。決して安くはないのに毎年数時間で完売するようなので、興味があるなら今すぐメルリスに登録して、日程が発表になったらカレンダーに入れて待ち構えるのがおすすめだよ。
ネタバレしてもいいから雰囲気を知りたい方は以下へどうぞ。
グレーの引用表記の箇所は、つまらぬ大人の考えってやつです。
予約した日の1ヶ月ほど前に、子供には、名前入りで、美しい箱に入った招待状と事前に読み込むリーフレットが届く。娘はそれを何度も何度も大事に読みかえし、指折り数えてこの日を楽しみにしていた。
私も友達も車を持っていないので、電車でアスコット駅まで行き、そこからタクシーを拾った。もし、電車が遅れたら?タクシーがつかまらなかったら?というのを警戒してだいぶ早めに出たら、移動がスムーズだったために森の奥の広場には約1時間前に到着してしまった。
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予約時間の30分前にならないと入場できないのだが、待機するための広場もだいぶ素敵な雰囲気に作り込んであった。エルフに扮したスタッフと話したり、売店でお土産を見たり、ホットココア買って飲んだり、記念写真とったりしていたらあっという間だった。
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そしていよいよ声がかかってゲートを潜ると、そこは魔法の通路。キラキラなうえに、大変良い香りに満たされたトンネル。サイプレスかシダーウッドにシトラス加えた感じ?「スパのにおいだ!」と喜んだのは大人。
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それをくぐった先の大きな部屋で正式なチェックイン。子供たちはここでアクティビティのスタンプを集めるパスポートをもらう。そのまま、エルフの寸劇を見ながらグループが揃うのを待って、魔法の森へ出発。
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ラップランドの世界観へといざなう双方向型のショーはよく設計されているなと思った。同じスロットの約50組が共に移動するから時間厳守なのね、と、今さら気づく私。
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次に案内されたエルフの工場では、世界中に届けるおもちゃを仕上げるお手伝いをする。「手が足りない!」「みんな助けて!」というエルフたち。
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小さい子も確実にできる簡単な作業なんだけど、娘はこれが楽しかったって。ちなみに、この時に作ったのと同じペンギンのぬいぐるみは、最後にこっそり、袋に入れた状態で親に渡される。クリスマス当日にサプライズで再会させてあげてね、と言うわけ。
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その次は、マザー・クリスマス(ファザー・クリスマスの奥さん)の台所で、ジンジャー・ブレッドのデコレーション。仕上げたものはオーナメントとしてツリーにも飾れるが、食いしん坊の娘はその場で完食していた。
大人にも、味見用にシンプルなジンジャーブレッドが配られた。もちろん、この後に控えている売店で同じものが買える。美味しかったので買ってしまった。いいプロモーションだ。
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ここまでで、2時間くらい。次は雪の積もる庭へ案内された。フェイク・スノーは、フワフワしていて、触ると少し冷たくて本物みたいだった。
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広大な敷地のいたるところ白に包まれていたので気になって調べたら、この国にはフェイク・スノー専門業者もあるようだ。たとえばこんな。ロンドンはあちこちにクリスマス・マーケットやスケート・リンクが立つので、ビジネスが成り立つのだな。
この広場では与えられた90分をどう使っても良かったのだけど、やること盛りだくさんで時間が足りないくらいだった。特に子供たちが楽しんだのが「凍った池」でのアイス・スケート。本物の氷ではなく、小さい子もチャレンジできるようにフェイクスノーをまぶしてほどよく滑りにくい。大人も希望すれば無料でスケート靴を借りられたが、7歳くらいなら勝手に行かせても安心だった。
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それから「エルフの郵便局」では、ファザー・クリスマスへの手紙を書いて投函できるポストもあった。
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また、そこら辺をいろんなエルフがうろうろしているので、声をかけると丁寧に対応してくれる。娘は身長3メートルくらいのエルフを捕まえて、首が痛くなりそうな角度で見上げながら、なにやら質問攻めにしていた。時間が許すなら、招待状に紹介されていたエルフ全員と話したかったらしい。
最後に、お菓子やおもちゃやオーナメントなどのショップを駆け足で見て、集合時間ギリギリに決められたゲートへ。そこからがいよいよ本日のハイライト、ファザー・クリスマスとの面談だ!
この広場で唯一残念だったのは、夕食に頼んだホットドッグがイマイチだったこと。ウィンター・ワンダーランドや他のクリスマス・マーケットのジャーマン・ホットドックって軒並み美味しいので期待値が高すぎたのかもしれないけど。飲食は別料金だし、時間が限られているので、軽食にはカフェを使うのではなく、サンドイッチなどを持参して子供を遊ばせることを優先するのがおすすめ。
さて、迷路のような森の小径を通っていくと本物のトナカイがいた。干し草をむしゃむしゃしていた。そしてキオスクではトナカイの餌(穀物)、一袋5ジングル(1000円)で売っていた。
私が子どもの頃、故郷の街の水族館で、海亀の餌のイワシの切り身が一皿50円で売っていたのの20倍か…何十年前の話なので値上がりしているだろうけど・・・とか回想していたら、なんとそれは餌やり体験用ではなく「イブの日にクリスマスツリーの根本に供えておくためのもの」だと。朝起きたら消えていて、かわりにプレゼントがあるというわけ。
「そんな、夢を売るにもほどがある…!」と私は思ったが、買っている人も結構いた。ネットで「Magic Raindeer Food」で検索したら鳥の餌みたいなのがいっぱい売ってるので、英国人的にはありなのかもしれない。
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さて、ファザー・クリスマスとの対談は、そのトナカイの納屋を超えた先の待合室で改めて大人が「チェックイン」することでキューに入ることになる。子供に声が聞こえないように高いところに設けられた窓口で、小声で、子供の名前や好きなこと、得意なことなどを聞かれる。しばらくすると、順番にエルフから名前を呼ばれ、一組づつ迷路のような森の中を歩いて行って小屋に案内されるという仕組み。
待ち時間は25分、面会時間は15〜20分と言うので、一緒に行ってたバリバリ起業家の友達と私は「裏に何人のファザー・クリスマスがいるか」を推計した。5人だね。待機小屋はもう一つあるからそちらにも同人数いて合わせて10人。5分で次に来る子供のことを確認し、15分でキラキラの子供のまなざしとむかいあうおじいさまがFTEで10人。
ひとりひとりしっかり名前を呼び、個別具体的にその子の長所を褒めて、「クリスマス・プレゼントは何が欲しいかね?」と聞いてくれる。
そこで「あっ」と思った、私。
ファザー・クリスマスだもの。当然その質問、するよね。予想していなかった私が悪いんだが、娘は迷いなく「Fitbit」と答えてしまった。クラスの友達の間で、子供向けの万歩計付きデジタル時計が流行っているのだ。
それは、値段の割にすぐ飽きそうなのでクリスマスまでに他のものをお勧めするつもりでいたのだ・・・しかし、ファザー・クリスマスは「おお、あの腕時計みたいなやつじゃな」と深く頷いき、何やら手帳にメモまでしていた。逃げ場を失った。そのとなりで、一緒に行った同じ7歳のオーロラちゃんは「スクイッシーバウンシーボール(柔らかいピンポン玉)」って答えていた・・・愛らしい。
【ここ大事】事前にお願いするものを子供と擦り合わせていこう。
なお、うちの娘の名前は英語圏の人にはなかなか正しく発音されないのだが、チェックインで一度だけ聞かれた音がしっかり伝達されてバチッと呼ばれたのは、細かいところだけどさすが魔法的な存在だと感心した。
最後にハスキーの大きなぬいぐるみと、3回鳴らせば悪夢を追い払ってくれるという金色のジングルベルを授けられて、子供たちは文字通り大興奮していた。
小屋を出たらもう帰るだけなのだけど、出口の前には大きな売店が待ち構えていて、そこでさっきもらったばかりのハスキーのぬいぐるみに合わせた小物をいろいろと売っていた。
アップセルの仕掛けとしてこのうえない。広場で「好きなものは一個だけ」と釘を刺して別のおもちゃを買っていたのに、ここで周囲の子供達がなにか買ってもらっているのに娘だけダメと言うことができなくて、「ぐっ、これはトラップだ!」とわかっていても、ハッと気がついたらぬいぐるみの犬を入れるバック(いるか?いらんよね!)を買わされていた。
【ここ大事】「1個だけ」のおねだりを聞くなら最後の売店で!
なお、途中で撮った記念写真のうち1枚は無料でもらえるので、売店の奥のカウンターで受取りを忘れないように。
電車に乗る頃にはもう20時で、子供たちは寝ちゃうかと思っていたけど、興奮冷めやらず、ハスキーのぬいぐるみを抱きしめてずっとおしゃべりし通しだった。
私もファザー・クリスマスの魔法にかけられて想定外の出費をしてしまったけれど、まあそれがテーマパークというものかもしれない。娘が本当に幸せそうだったし、始終素敵なスパの香りに包まれてて気分が良かったので、行ったことに悔いはないです!
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London people call the grandpa of Christmas "Father Christmas."
"Father Christmas" originated from a Celtic fairy and is distinct from "Saint Nicholas," a.k.a. "Santa Claus. The red-suit Santa was driven by the iconic promotion by Coca-Cola in 1942 and dominated the world. It seems that Santa's image is blended significantly with the traditional image of Father Christmas, even in London, a multi-cultural city.
Nevertheless, the British cherish their ancient name and associated customs. He believed to live in Lapland (Finland), not the North Pole.
If you can stay in London in November or December, and you're like me and want to give your kids a fabulous Christmas memory, check out Lapland UK! It's a seasonal theme park, and my 7-year-old girl had a blast there.
It is in the woods near the famous Royal Ascot racecourse. You can access it from London on a day trip. (We used the overground and a cab from the nearby station, Ascot.)
The website doesn't do it justice - it's way more magical in person! The above pictures give you a feel for the mystical atmosphere of the park.
Tickets go on sale in the spring and sell out in a couple of hours every year. If you are interested, you should sign up for their mailing list now and watch for their booking open-day announcement.