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Iceland Day 05. Whooper Land


From Hvoll to Seyðisfjörður, Driving 223 km(3 h 25 min)

この日は道中に地熱温泉を予約して、その後は早めに東フィヨルドの街に移動して街を散策・元気なら教会の音楽祭に行くプランだった。ここまでの観光でも混雑を感じることはなかったけれど、ここからはいよいよレイキャビクからのツアー客も減り、オフ・ビート感が出てきた。

ワッパー・スワン

だから間延びした移動になるかなと思っていたのだが、想定外の驚きに満ちているのがアイスランド。ノーマークだった入江の角を曲がったところで、白鳥の群れに遭遇した。何百、いや何千の大群に。

遠くからの下手な写真手では全く伝わらないと思うけど、この沖のポチポチ全部白鳥なんだ。ガーとかプーとかにぎやかな群れの横を、私は「えっ?わーっ!あーっ!!」と変な声を上げながら車でつっきり、やっと停車するところを見つけた時には、だいぶ群れから離れてしまっていた。

それまでの道でもちょいちょい白鳥が「いるなあ」と気づいてはいた。ただ、ロンドンで見るのとは少し顔が違う。前日に買った本によるとWhooper Swanワッパースワン(オオハクチョウ)という種類だった。

ワッパーは「でっかい」という意味。ユーラシア大陸に分布するTundra Swanツンドラスワン(コハクチョウ)より大きいから和名がそうなっているのだが、いつもロンドンで顔を合わせる王室の Mute Swanミュートスワン(コブハクチョウ)より一回り小さく、こころなしか顔も庶民的。

オオハクチョウとコブハクチョウ【Source: 日本経済新聞

車を停めた時はもうだいぶ群れの端にきてしまっていて、ちょっとだけまだ近くにいた鳥たちも、写真を撮りに近づくと、ウザ!って感じで沖へ逃げてしまった。

道路の反対側でのんびりしてた白鳥たちも、つれなく離れていく。

私の変態的な鳥好きをよく知るぎゅうちゃんが「折り返す?」と聞いてくれたけど、人間に近づいてほしい鳥ではなさそうだったので遠慮することにした。ほんの束の間、彼らのまんなかを走れただけで十分。自然番組でしか見たことのないような大群と出会えたことが嬉しくて、ドキドキした。

ナビに出ない国道

それからもしばらくは海岸沿いを走り、時々眺めの良いところで小休憩をしながら進んだ。

海鳥は機敏さに自信があるのか、近くによっても逃げない。岩のてっぺんから海を睥睨し、赤い口を開けて、「キァーッ!」と鳴いていた。

リングロード(1号線)は最初から最後まで走りやすい。そのどこにでも絵のような眺めがある。けれど、事前にGoogleマップで移動時間を調べたり、口コミサイトを読み込んでいると「この道眺めが良さそうだな」とか「この道を通ると1時間短縮になるな」と気づく側道もあり、7月末だからこそ、多少はそんな冒険ルートも使おうと計画していた。

でも、全てのレンタカーがそうかは知らないが、借りていた車の搭載ナビにおいては、天候次第で悪路になる峠道は「ない」ことになっていた。

だから、リアルタイムの天気予報や道路情報サイトを確認しながら進んだ。携帯の地図アプリは便利だが山の中に入ると通信が途絶えるので、最後に頼りになるのはやはり紙の地図だった。

絶景の Route 95

そんなナビから抹殺されていたショートカットの一つでおすすめが、島の東を北上するルート95。急勾配の坂を上がってすぐ左手には見応えのある滝があって、いきなり絶景。

台地の上にはたくさんの湖。これらが苔に覆われた地層に染み込み、何百・何千の滝となるのだな。

そんなに標高は高くないのに、高山植物のような愛らしい花も咲いていた。羊は、ここにもいた。

★湖畔の温泉 Vök Baths

やあ、綺麗だったねと言いながらルートの終点のエジルスターズル(Egilsstaðir)という小さな町に抜け、朝ネットで予約した地熱温泉、Vok Bathボクバスへチェックインした。

湖畔のラグーンで、湖をわたる風を頰に受けながら入浴できる。サウナもあるし、入浴後はとてもおいしいハーブ・ティーのサービス(色々な種類から選べるが、私が飲んだのはネトルティー)がある。温泉の端から綺麗な湖に移って泳ぐこともできる(自己責任で)。子供たちも、腕につけるフロートを借りて、大喜びで遊んだ。

サイトで見ると地味だけど、実際行ってみると、湖と一体になれるとても優しいパワースポットだったので全力でオススメ。ただ、タオルは別料金なので持参が良い。

濃霧の Route 93

それから街のスーパーで食材を買い込んで、本日の宿泊地・セイジスフィヨルズル(Seyðisfjörður)に向かった。東フィヨルドならまずここといわれる街だが、リングロードを離れて峠をひとつ越えていく。その、ルート93が唯一の道なのでさすがにナビにも出た。

やはり坂を登ると空気が変わる。道路沿いに雪渓がたくさん残っていたので、車を停めて踏みに行ったりしながら、進む。

しかし途中から、雲行きが怪しくなってきた。道の先…雲に突入してる?と思ったら、実際にこの写真をとった5分後くらいに視界ゼロの濃霧に包まれた。

このときドライバーはぎゅうちゃんだったが、狭くてガードレールのない峠のカーブの下り道。濃い霧の向こうからいきなり対向車が現れる、しかもそれが大きなキャンプバンだったりする恐怖で、かなりスピードを落としてはいてもめっちゃ怖かった。

濃霧のドライブはほんの5分か10分だったが、雲を抜けて平地に出るとホッとした。この旅の中で一番の恐怖体験だった。

もしこれがルート95なら、ロードトリップ初心者なのに冒険しすぎたと反省したのだけど、ルート93は避けようがなかった。そもそも、アイスランドは夏場でもちょっとしたことで道が閉ざされる厳しい場所なのだ。

アイスランドの道路工事チームは仕事が早い

余談ながら、道路情報を見ていると、私たちが数日前に通ったばかりのサウスコーストの橋の一つが氷河湖の氾濫で流されてリングロードが分断されるという事件が起きていた。

その日そこを通過する予定だった人たちから「この後の予定ぜんぶだめになっちゃうの?!」という悲鳴がSNSに溢れたが、ジモティから「まあ、落ち着け。これくらいは日常茶飯だよ。アイスランドの道路修理チームはプロだから、明日には治るよ」と返信がついていて、実際に、翌日の夕方には復旧していた。

夏のリングロードも「絶対安全」ではない。そしてアイスランドの道路修理チームは仕事が早い。

★ ブルー・チャーチの街 Seyðisfjörður

さて、恐怖のドライブでだいぶ削られたものの、なんとか無事にアパートにチェックインしてから街の探検に出かけた。ここも田舎にはちがいないが、街なみが可愛いと評判なのだ。ランドマークは、ブルー・チャーチとレインボーロード。白い空に薄水色の教会。おしゃれっぽい。

それ以外にも、屋根や窓枠の色・壁の絵まで、街全体でアートしようと申し合わせてるかのようなフォトジェニックな建物が多い。

マンホールもなんだかかわいい。

掘っ立て小屋カフェも借景のおかげでアート。

子供達は、景色を楽しむよりもプレグラの巨大トランポリンでずっと跳ねていたそうだったけど。

ファンが多い村であることに納得はしたが、また雨脚が強くなってきたので湖の周りを一廻りしてアパートに戻った。そして、日本の秀逸なインスタント技術のおかげで、湯を沸かしあたためるだけ+オーブンでラム肉を焼いてサラダを出すだけの豪華な夕食を食べた。ラム肉、最高。

夕方8時からのブルーチャーチの音楽祭は断念した。濃霧のドライブで疲れたし、子供たちには少し遅いし、よく考えたら明日は朝早きだし、雨ふってるし…、もう外に出る気がしなくなってしまった。

庭木の向こうにブルーチャーチの屋根がちらっと見えるアパートは、今回の旅で一番広々していて居心地が良かった。洗濯機・乾燥機つきなのもありがたい。下に住んでいるオーナーもとてもいい人だったのでおすすめ。

Tips from Day 05

Whooper Swan

My encounter with a flock of Whooper Swans was the most exciting moment of the trip. I turned a corner, and suddenly, thousands of swans appeared on the tidal flats before me. They were making many noises like "guffaws" and "poo-poo". I found a place to park my car and take pictures, but they moved away shyly. I didn't follow them too much, but I will never forget the great moment, as if I were in a nature program on TV.

Route 95 and Route 93

On this day, we took a mountain pass twice. Route 95 towards Vök Baths (that was a great lagoon, refresh beside a quiet lake) has stunning views and saves time. However, it didn't show up on the navigation system of our rental car; perhaps it can be dangerous depending on the weather and season. Using a paper map and road signs, we climbed a steep slope and soon found a beautiful waterfall on our left, as well as many snowy valleys and lakes on the plateau. We had no problems with our front-wheel drive automatic car at all.

On the other hand, when we took another mountain pass, Route 93 (it was available on the Navi because it's the only way to go), to get to the Seyðisfjörður where we were staying, we were surrounded by thick fog with zero visibility on a curved descent, which was very scary.

In addition, there was an incident in which a ring road bridge was damaged and closed due to a flood. Our schedule was not affected, for we've already passed the point, but some upset travellers were advised in SNS by locals who said the Iceland Road Repair Team would fix it by evening the next day—and they did.

Iceland is a harsh land. Even in the summertime and on the ring road, it's essential to monitor road information sites and weather forecasts, then may the good luck be with you.

Seyðisfjörður

We found this beautiful east fjord town well worth the journey through the misty passes. You can walk around the lake and enjoy the contrast between the artistic buildings and the magnificent view of the fjord in Seyðisfjörður. I was actually interested in the summer concert at the famous Blue Church.

However, we were too tired after the square drive, and my children were small. In addition, we planned to leave early the following day, so we just stayed at the comfortable apartment and enjoyed the Icelandic Lamb dinner.



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