Malta - Comino
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12月29日は、ネットで調べて見つけた船会社で、朝8時にゴゾ島からコミノ島にわたる一番フェリーを予約していた。
朝早くから子を起こして食事を急がせ、狭い坂道をGoogleマップを頼りに（レンタカーにナビがついていなかったのだ）神経使って運転していったのだが、港の入口で間違えて大きなフェリーに乗るルートに入ってしまい、係員の誘導でなんとか抜け出したものの、こんどは駐車場で停めやすいスペースが見つけられず、慣れない縦列駐車して、ピッタリくらいに慌てながら降りて行った波止場には、
フェリーっていうより「渡し船」と言う呼び方が似合うボートがプカプカ浮くばかり。誰もいない。
船会社に電話をかけたら「ごめん、今すぐ行く」って、寝坊だったのか。すぐにおじさんがバンを飛ばしてやってきた。
でも、明らかに準備ができてない。「出港は8時30分でもいい？」と言われ、船を拭いたり、受付のパラソルを広げたり椅子を並べたりする開店準備を見守りつつ、結局、45分まで待った。
以前の私ならイラッとしていたかもしれないが、そこは「他の客もいないこんな年の瀬の朝に仕事してくれるだけでありがたい」と流すのが、英国暮らし４年目の成熟である。
めあての島は目と鼻の先。約10分の船旅の末に「島まるごと貸切だネ！」と降ろされたのは、ブルー・ラグーン。夏は海水浴客であふれる景勝地である。
海に入るには寒いけど、私たちの狙いはそもそもトレイル歩き。宝石のような湾を眺める静かなコーストラインを、赴くままに歩きはじめる。
乾いた褐色の岩肌に、背の低い植物が這うように生えている。
コミノ島ってクミンが自生するからそういう名になったらしい…島では見つけ損ねたけど、午後に戻ったゴゾ島ではたくさん見た。乾燥したタネの状態しか知らなかったけど、繊細で柔らかい葉を指先でちぎると、確かにあのクミンながら、ぐっとみずみずしい香りがした。
行く手に島随一のランドマーク「セントメアリーズ・タワー（Santa Marija Tower）」が見えたので、とりあえずそこを目指す。
どこでもGPSの状態が良い小島なので、Googleマップがあれば十分にルートを取れた。念のために買って行った紙の観光マップはいらなかった。
クリスタルラグーンの横を通過。オーバーハングしている崖は、綺麗だけども近寄きすぎないよう気をつけながら、道なき道を行く。
セントメアリーズ・タワーは別名コミノ・タワーという。17世紀に敵襲を見張る要塞として作られたが、島が無人になって放棄されたり、家畜小屋、あるいは敵の捕虜を留める牢屋として使われていた時期もあるらしい。
補修中で高台には登れなかったが、ぐるりと回るだけで、海の眺めが変わり、裏からはマルタ島が見えて満足した。
近くに見える建物は、かつて病院だったようだ。廃墟かと思ったが、近づくと一角から音楽が聞こえてきて、洗濯物も干してあった。住人がいるらしい。
庭木は巨大なサボテン。南国なのだ。
整理された道をしばらく歩く。青空。無風。寒くも暑くもなくて最高なのに、他に人がいないのが不思議。
すぐに反対側の海が見えてきた。マップによるとサンタ・マリア湾（Santa Marija Bay）。いってみよう！
崩れかけた石垣が幾重にも続き、古の人の手を偲ばせる。水仙が群生していた。もとは何を農作していたのかな？
眺めがいいから少し遠回りをして、なだらかな丘陵をくだって小さな波止場に着いた。白い砂浜のビーチもある。
子供たちが岩場の生き物探しに夢中になっている間に、ジモティーっぽい家族が自家用モーターボートでのりつけて、ポップアップキャンプを張ったり、バーベキューしたりしはじめた。
私は一人で、片道10分くらいの岩礁の先端まで歩いてみた。荒磯。南側ほど明るくは見えないけど海水は遜色なく綺麗ではないか。
子供たちはいつまでもそこにいたそうだったが、お昼時なので遊びを切り上げ、帰りのボートに乗るべく、ブルーラグーンに向かって出発。
途中、素朴な教会があった。後で調べたら、絵画を含む内装の保存状態の良いローマンカソリックの教会だったらしい。入ってみればよかった。
戻る道ではツアー団体何組かとすれ違った。美しいバターカップのお花畑でピクニックする人たちもいた。こんなに気持ち良い島だと知っていたら、我が家も弁当持参できたのだが。
30分くらい歩いてピックアップポイントに戻ると、ジュースやバーガーの屋台が店開きしていて、クルーズ船も何隻か停泊していた。夏はもっとすごいんだろうけど、朝の静謐が嘘のよう。
気温16度だというのに海に入る猛者も一人や二人ではない。抜群に綺麗な海だから夏休みと勘違いしたくなるのはわかるけど…、屋台もまた、くり抜いたパイナップルの器にストローを突っ込んだご機嫌なジュースとか、煽るようなものを売るから。それを片手に浅瀬に立つ水着のお爺さんもいた。スライド付きのクルーズ船から海に飛び込む若者たちもいた。
マルタ滞在中、連日、絶対寒いはずなのに嬉しそうに海にはいる人たちを見かけて、私は欧州人は体が強いのかと不思議にも思ったのだが、ロンドンへの帰国便では咳をしたり鼻をすすったりという明らかな風邪っぴきがちらほらいて「君らだな」と思った。寒いってばよ。
さて、朝の出来事があったからちょっと心配したけれど、帰りのボートは12:15の予定時間ぴったりに来た。降りる人がいっぱいいて、乗り込む人も数組。
しかし、誰もいない冬の朝のコミノ島の散歩は、家族全員たいへん満足度が高かったので強くお勧めしたい。ブルーラグーンの周りだけじゃ、もったいない。
まあ、シーズンオフの朝イチのフェリーは利用者が少ないようだから、前日に電話で運行を確認した方がいいかもしれないけどね。
さてゴゾ島に戻ってからは、港から歩いて３分のレストランに飛び込んだ。うちはみんなタコ好きなので、タコのリゾット、タコのパスタ、タコのシチューを頼んだらどれも大変おいしかった。特にシチューが抜群。ついでに、娘が頼んだキッズパスタもしっかり美味しかった。
「ゼペット」って、ピノキオをつくったおじいさんの名のレストラン。あ、タコ料理以外もあるよ。
★
Hike on Comino in the morning of December
We’d booked the earliest ferry online and headed to the Gozo pier, only to find that the ferry company was closed and there were no other passengers. I called them, the company man rashed in saying "Sorry" repeatedly, and then we ended up departing 45 minutes late.
But hey, no other passengers on such a quiet winter morning. Four years of living in the UK have taught me not to stress over a trivial delay like that, but just appreciate their work.
The island is a stone's throw away from Gozo. After a 10-minute boat ride, the captain dropped us off at the Blue Lagoon, saying we are having the whole island to ourselves. Indeed, the gem-like lagoon with no crowds was more than heavenly. Yes, it's too cold to swim, but we were there for the hike anyway.
Started walking along the quiet coastline, admiring the stunning bays. The island is so tiny that we can find our way quickly with our Google map. We followed our feet to St. Mary's Tower, the island's most recognisable landmark.
The tower was under renovation, but walking around it was still pretty satisfying. Nearby, there was an old building that used to be a hospital. We thought it was abandoned, but as we got closer, we could hear music and see clothes hanging out to dry. Someone must have been living there.
We continued along a well-maintained path. The sky was clear, there was no wind, and the temperature was just perfect. I wondered why there was no one else around.
Soon, we could see the other side of the island. We followed a gentle, hilly path lined with daffodils, taking a slight detour because the view was so beautiful. Then ended up at a small jetty with a cozy sandy beach. We let the kids play in the tide pools while we relaxed. A few locals arrived in their motorboats and started setting up camp and having barbecues.
On the way back to the Blue Lagoon, we passed several tour groups. There were also people having picnics in a field of buttercups overlooking the beautiful sea.
If we’d known how nice the island was, we could have planned a picnic too.
To my surprise, when we got back to the pickup point, there were several cruise ships. It was a far cry from the peaceful start we'd had. The beach had transformed into a tourist spot.
Several brave souls were already enjoying the sea. With such a picturesque shore, it's easy to see why people wish to mistake it for summer. Some food stalls added to the confusing atmosphere, offering tempting treats like whole pineapples with straws sticking out.
An elderly gentleman in swimwear savored his pineapple while standing in the shallows. A groups of young people were seen jumping and sliding off nearby cruise ships. It was a mere 16 ℃, my friend. Their tolerance for the coldness is truly remarkable.
Our boat arrived right on time at 12:15. It was packed with people getting off and there were a couple of families getting on.
Anyway, our morning walk on Comino was a huge hit with my whole family. I highly recommend it.
When we got back to Gozo, we went to a restaurant a three-minute walk from the port. We ordered octopus risotto, octopus pasta, and octopus stew. They were all delicious (the stew was particularly good).
The restaurant is called Zeppet, which is the name of the old man who made Pinocchio